●登山序盤から山の厳しさを知って

山
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そして迎えた7月31日。家族3人と撮影クルーで長野県松本市に入り、2泊3日の登山に向けて出発。

加治川さん自身、病気による体力低下や身体に発生する痛みもあって、かつてのように山を登ることができず、内心「本当に2泊3日も登山できるのだろうか」と不安だらけだったそうです。

「そんななか、本当に頼りになったのが奥さんと娘の存在でした。登山初心者の2人がちゃんと山に登れるのだろうかとずっと心配だったのですが、文句も言わず、私よりもスムーズに、ひたすら頂上を目指してがんばっていました。そんな2人の様子が、本当にありがたかったです」

●妻の忍耐強さや娘の気遣いに、改めて気づかされたこと

親子3人

また、今回の登山を通じて、家族の絆を再確認させられることも多かったそうです。

「じつは、登山の途中で、奥さんが履いている登山靴が壊れてしまったため、途中から宿泊先で靴を借りて履くことになったんです。山を下り、宿に一泊した際、彼女の足を見せてもらったら、痛々しいほどにマメだらけで…。思わず『よくこんな状態で歩けたね!』と声を上げてしまったほどです。病気が発症してからも、文句ひとつも言わずに自分を支えてくれてきた人ですが、改めてその忍耐強さを尊敬しました」

さらに、加治川さんが「ものすごく驚いた」というのが、旅の途中に娘さんから飛び出した一言でした。

「登山の途中、娘からは『来年は槍ヶ岳に連れていって』と言われたんですよ。正直、来年は自分の身体や命がどうなっているかもわからない。また、槍ヶ岳はもっと上級者向けの山なので、『この子は、またすごいことを言い出したな!』と驚いてしまって。

突然すぎて、そのときは『うーん、どうかなぁ』と答えてしまったのですが、後日、その話を知人にしたら、『その言葉が、加治川さんが来年に向けてがんばるモチベーションになると思ったのでは』と言われて。病気になって以来、娘にもずっといろんな無理をさせていることはよくわかっているので、その成長がうれしい一方、申し訳ないような気持ちになりましたね…」

●来年も家族3人一緒に登山したい

夕日

今回の登山企画の後、少し体重は落ちたものの、容体はひとまず安定しているという加治川さん。ハプニングが多かったとはいえ、久しぶりの登山は、大きな刺激になったそうです。

「ものすごく大変な想いはしたものの、家族がきちんと結ばれていることが確認できて、本当に貴重な体験でした。あと、家族への感謝はさらに深まりました。だって、こんなふうに、いきなり『一緒にテレビ番組の人と一緒に山に登ってくれ』と言われて、いやな顔をせずにつき合ってくれる家族なんて、ほとんどいないでしょうしね(笑)。久しぶりの登山も楽しかったです。槍ヶ岳に登るのはさすがに無理かもしれませんが、『来年は近所の山に登ろうね』と、いまから家族3人で話しています。それが、自分にとって大きな来年の目標です」

加治川さんは無事に登山が達成できたのかは、『24時間テレビ』内で放送されます(27日午前10時30分放送予定)。

お父さんは、君のことが好きだったよ。「余命半年」の父が娘へ残すことば

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