季節によってさまざまな種類の切り花がありますが、「花木(かぼく)」を意識したことはありますか? 花または果実を観賞するために、庭植えまたは鉢植えにして利用される木のこと。
「桃、桜、梅など、これら花木が花屋さんに切り花と一緒に数多く並ぶのは、春だけの楽しみなんですよ」と語るのは、フラワースタイリストで草月流師範でもある梅田佳苗さん。
ここでは花木を家の花ビンに生けるコツを教えてもらいました。
いけばなの技術を活用!桜、桃、梅など、花木を花ビンに生ける方法
●筒型の花ビンが使える
生け方ですが、枝ものなので、しっかり・どっしりした花ビンをおすすめします。とくに初心者におすすめなのは、筒状で、上から下まで直径の変わらない寸胴タイプ。今回は中が見えやすいよう、透明なガラスの花ビンを使います。
●いけばなの技術「縦の添え木留め」
花ビンから斜めに枝を出したいとき、長いままの枝では傾斜がつけられません。とくに流れが天に向かうような枝は花ビンの縁でぐらつくため、しっかりと留める必要があります。そこで、図のように花瓶の底から枝を一本たて、そこに見せたい枝をかませて留める方法を、「縦の添え木留め」といいます。
●切り口を壁に沿うよう斜めに切る&割りを入れる
欲しい長さの枝を準備したら、切り口を壁に沿うように斜めに切りましょう。こうすることでグラつきにくくなります。そして切り口の真ん中にハサミを入れて「割り」を入れます。拳1個分ぐらいの長さの割りが目安。
●花ビンの底から立てる枝の長さ=花ビンの高さ
花ビンの高さと同じ長さの枝を準備し、上の切り口を斜めにします。こちらも同様に割りを入れます。かませる2本の枝の太さは同じぐらいの方がうまくいきやすいです。
●割を入れた2本を咬ませる
写真のように、割りと割りをかませましょう。2本目もかませ、3本目は最初の2本が交差している部分へ入れれば留まります。
ほかの花をたしてアレンジするのもすてきです。ここではカーネーションと生けました。
枝を生けるのは難易度が高いですが、マスターするとグッと生けられるお花の幅が広がります。ぜひ挑戦してみてくださいね。