●経験した者にしかわからない辛さがある

親友
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Aさんは、じつのお母さんを大腸がんで亡くされたという悲しい経験をされていました。そのときの主治医に遺伝性の大腸がんについて警告されいます。

「うちの母は50歳のときにガンになったんだけど、先生から『娘のあなたもガンのリスクが高まるかもしれないので、今から十分予防してくださいね。人間ドックでもなんでも、2年に1回くらいは大腸内視鏡検査を受けて』って言われてさ。だから、けっこう若いときからもしも自分がガンになったら…って考えることが多かったんだ。
夫婦関係のこともいろいろ考えたよ。うちの夫の場合は、私が入院とかしたら私を悲しませないように配慮もできると思うけれど、やっぱりレスにはなるだろうな」とAさん。

2人で話したのは、女の人は、見た目よりも愛情があれば行為ができるけれど、男の人は無理だろうねということ。Aさんもお母様の闘病中のときのことを振り返りながら、ガンという病気は、配偶者側の負担やストレスも大きいという話でした。

ガンで夫婦の絆が深まったという美談は広まりやすいけれど、逆に別れましたというパターンは、みんな積極的に言わないから知らないだけで、じつは数は多いのかもしれないと感じたと言います。

「うちの場合は、話し合いをしたわけじゃないので実際のところはわかりませんが、夫はビジュアルから入るのかなと思うので、今の状況でレスを解消するのは難しいと思っています。そこの価値観が合わない夫とこのまま添い遂げられるのかという疑問が沸いています。長年連れ添っていると、尊敬や感謝、いろんなものが絡み合って、私はもう体の関係がなくてもいいなと思うけれど、夫があからさまにそういうお店に行くのはやっぱりつらいです」

●気持ちがあったとしても、見た目が変わるとできないのか?

夫婦

「死」が脳裏をリアルによぎって以降、聡美さんは夫との関係に終止符を打つときがきたのではないかと感じているそう。すでに投薬は終わっているので、時間が経てば髪も生えてくるし、しっかり食べて早く以前のような健康な体を取り戻したいと話します。

「元に戻りたいのは、夫のためではなく自分のため。夫が私の内面をまったく見ていないわけじゃないとはわかっているのですが、こういう状況でレスになり、風俗通いをしたという事実は一生消えません。許す許さないというより、自分の人生にとって夫はどういう存在なのか考えざるを得なくなりました。
ガンを患ったことは運が悪かったけれど、一生つき合える親友に出会えたことは、私にとって幸運なことだったと信じて、前向きに生きていこうと思っています」

気持ちがあったとしても、見た目が変わるとできないのか? これはレスに悩む夫婦にとって永遠の課題なのかもしれません。

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