離れて暮らす高齢の両親が住む実家を、暮らしやすく改善した事例です。整理収納アドバイザーでインテリアコーディネーターの資格を持つ木村充子さんが、実践したことを紹介。押し入れのふすまを撤去して、布団の差し入れを容易に。重くて古かったカーテンを軽いものに変えたり、IKEAやニトリの家具に入れ替えたり。見違えるほど快適で、すっきりとした住まいになりました。
すべての画像を見る(全17枚)老朽化の進んだ家で、リフォームせずに快適に暮らしたい
筆者の実家は静岡県内の、最寄り駅が無人駅という不便な場所にあります。
築70年の母屋と築40年の離れがあり、筆者の両親は10年前から離れで暮らしています。老朽化が進んだ母家は、近く取り壊しを検討しています。
10年前に住み始める際に、母家から必要なものだけを移したため、今もそこそこ片づいた状態を維持しています。しかし、離れは2DKと狭く、ものがあふれています。
キッチンとバスルームは離れに移ったタイミングでリフォームをしたため、水回りの設備は問題ありません。しかし、リフォームした部分以外は老朽化が進み、快適とはいえない状況にありました。
そのため、筆者は両親に再度リフォームすることを勧めましたが、これからの生活を考えると住み替えの可能性もあるため、今はリフォームをせずにそのまま暮らすことに。
そこで、リフォームをしなくても、両親が快適に暮らせるように、家の中を見直すことにしました。
使いにくい押し入れはロールスクリーンで解決
両親が困っていたことの1つ目は、母の部屋の押し入れの襖(ふすま)がボロボロなこと。そして敷布団がしまいにくいことでした。
母の部屋は茶の間としても使っているため、日中は布団を押し入れにしまっています。高齢者にはつらい布団の上げ下ろし。敷布団がしまいにくいため、さらに重労働に感じていました。押し入れに敷布団がしまいにくい原因は、押し入れの間口が半間(約90cm)に対して、敷布団の幅が100cmあるためでした。
そこで、ボロボロの襖を撤去。ロールスクリーンを設置して、押し入れの間口を広げました。
ボロボロの見た目が大きく改善されただけでなく、格段に布団がしまいやすくなり、母も喜んでいます。