●50代をご機嫌に過ごすのは難しい。だけど…

――最後に、著書のタイトルにもありますが、50代をご機嫌に過ごすコツはなんだと思いますか?

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クリニャンクール蚤の市で、お店の方と
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山脇:私はご機嫌で過ごすのがはとても難しいなあ、と感じるようになったんです。肩が上がらないとか、体の不調もいろいろ出てくるし、なにを着ても似合わないとか疲れるとか鬱々としてしまって。

周りにも深刻な病気で倒れたり、親御さんの介護で大変になったりっていう人が増えてきて。ああ楽しいことが減っていくのかなあと思うようになりました。だから、ただ機嫌よくしているってだけでもなかなか大変で、工夫がいるなと。それで、自分の中でかなり意識して、これ以上やると機嫌悪くなるなとか、具合悪くなるなっていうことを、できるだけやらないようにしようと。

たとえば、多少家が片づいていなくても休みたい日は休むとか、ごはんをつくれない日は、料理家が言うのもなんですけどつくらなくてもいいし、食べに行ってもいいし、買ってきてもいいし。そういう風に自分を甘やかしたほうが、結果、疲れなくて、家族もハッピーかもしれないですよね。

自分が楽しいことは丁寧にやったり、時間もかけられると思うんですけれど、自分にとって大変なことや苦手なことはそこまで丁寧にやらなくてもいいんじゃないでしょうか。そのぐらいゆるい感じでいいんだって思うと、ご機嫌でいられる気がします。

私は、梅干しを漬けたり、みそを仕込んだり…が無心になれて好きなんですね。その方がいいからとか、丁寧にという思いからではなくて、じつはただ楽しいからやっています。でも、人によっては大変に感じるかもしれません。だったらやらなきゃいいんだと思います。

自分の好きなことを好きなだけやるのは難しいかもしれないけれど、この歳になると案外できるようになる気がします。人と比べずに、自分流で。人と比べないのって大事かも。

50代は周りに急に亡くなる方とかも出てくる世代。体が思うように動かなくなったり、親のこととかで時間が自由にならなくなる日は明日かもしれない。だから後悔しないように、やりたいことは我慢や先送りしないで、やった方がいいなって思います。

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