●旅行先であえて「走る」理由

――山脇さんは旅先でもスニーカーを持って行って走るとお伺いしたのですが、その理由を教えてもらえますでしょうか?

山脇:性格がせっかちなのもあるのか、走ると早送りで街が見られるなあと思っています。あとでここに来ようかなとか、事前に予習しているような感覚で走っています。まず走って、戻ってきてシャワーを浴びてから、じゃあさっきのところへ行ってみようかな、とか。

風景
京都、円山公園
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友達と旅すると、一緒に夜遅くまで飲んだり喋ったりが楽しいと思うんですけれど、ひとりだと夜は早めに休んで、朝早くに走るのを楽しみにしています。朝はそこに住んでいる人のものだと思うので暮らしている気分になりますし、街の知らなかった顔がいっぱいあって楽しいです。

――「朝時間」のよさを実感した出来事などあったのでしょうか?

山脇:初めてのひとり旅で京都に行ったときのことですが、ぐるぐる回っても、なんと晩ごはんにお店に入れなかったんですよね…。だから仕方なく、寂しくホテルで早く寝て。翌朝、早く起きて朝ランで6時くらいに清水寺に行ったら働いてる方と私くらいしかいなくて、清水の舞台がほぼ貸切で。天気がよくて、めちゃくちゃ気持ちよくて。ひとり旅&早起きのご褒美だと思いました。

――反対に夜はひとりでごはんを食べるのに、少しハードルが高い気もしますよね。

山脇:私もそうで、ひとりごはんにはかなりの勇気がいります。パリなどヨーロッパの多くはみんなでおしゃべりするためにレストランに集うから、ひとりだと予約もできない。だからそういうときは、家族や友達といるとできないデパートの総菜で晩ごはんにします。自分の食べてみたいものを、ちょっとお高いなと思っても買って部屋でぜいたくします。これは大人の楽しみ方でもあると思います。

国内の場合は、私は自然派ワインが好きなので、それを出しているお店を逆引きして、自分好みのお店を見つけることもあります。自分の好きなワインを出している=料理も好みということが多いので。見つけたお店の周りを3周ぐらいしてみて、入れそうだったら入ります。

日本酒が好きな人だったら自分の好きな日本酒で逆引きとかもいいかもしれないですね。私は、「ベジ」や「精進」で検索することもあります。とくにベジタリアンではないのですが、そういうお店は割と女の人が一人で入りやすい、おひとりさまが多い、と学習しました。

逆に、すごいにぎやかなビアホールも入りやすいです。17時とか早い時間に行って、そこでサクッと食べて、みんなが酔っ払う前に帰る、みたいな。私は、ひとり旅は早起きして早めに行動、晩ごはんも早めにしています。