●旅には慣れすぎない方がいい

――お話を伺っていると、ひとり旅を楽しむ工夫はいろいろなところにあるのだなと感じます。

外国の風景
パリ、朝ランでオルセー美術館へ
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山脇:私は決して旅の達人じゃないので、本を書くときも、旅慣れてはいないけどいいですか? と思いながら書きました。毎回、いまだに超ビビりながら行ってますしね。用心のために今も靴に2000円入れていますけど、そのくらい、気をつけている方がいいと思う。気をつけすぎて困ることはないかと。無事に帰ってくることがいちばん大切です。

私の初めてのひとりのパリなんて、周りは全員泥棒ぐらいの気持ちでしたけど、そのぐらいの方がいいと思っています。

私の場合、他人とコミュニケーションしなきゃとも思わないんです。むしろ一日だれとも話さないっていうのもよかったりします。今日はチケットをもぎってくれた人のほかはだれとも話してない、なんて意外と新鮮。もしも、寂しくて辛くなったら、途中で帰るのも自由ですから。

●家族旅行で自分だけ前乗りすること

――これまでもいろんなところにひとり旅されたかと思いますが、今後行ってみたい場所などはありますか?

山脇:北海道にひとりで行ってみたいです。去年の夏に、相方(夫)と行ったときに、なんとレンタカーを借りられなかったんですよ…。それで2人で列車で回ったのですが、案外周れて。私は乗り鉄なので楽しかったんです。その列車が廃線になるらしいと聞いて、「これはひとりでも行こう!」と思いました。

あとは、相方と旅に行くときに、また前乗りで私だけ先に行こうかなと思っています。たとえば飛行機の経由地がフィンランドだとしたら、私は3日くらい早く行ってヘルシンキを周るとか。

――家族旅行の前乗りをされるんですね?

山脇:前乗りは、私の経験では申し訳なさが半減します。たとえば、沖縄に家族で行くとき、家族とはリゾートに行くとしても、自分ひとりだけ先に那覇で2泊して器を見てまわるとか。お先にごめんね、とか謝ってる暇もなく旅行が始まるので、すごくいいと思いますよ。

「こっち天気いいよ」とか、そんな会話を先に行ってる間はできるし、家族が来たら自分が楽しかった話を延々としながら案内もできる。1人でいると、「ああ、夫にも食べさせたいな」とか「母にも見せたいな」とか思うので、後から来た家族を連れて行くのも楽しいです。私、先に行って皆さんのために試しておきました~、と(笑)。