●友達、家族が集まる家に

ファッション
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――家が人を呼び込んだのですね。

柏木:その前に、家が人を変えちゃったんです。

じつは私、それまではお掃除はあまり好きではなかったのですが、この家の主だと思うと家がかわいくて、せっせとお掃除に励み、パティオ(中庭)を掃き清め、花壇のお花を手入れして。インスタグラムにはおでかけの記録ばかりを残しているので、みなさんに毎日出歩いていると驚かれてしまうのですが、午前中は掃除や洗濯などの家事をすませ、せっせとお庭仕事をしているんですよ(笑)。

そうこうしているうちに、だんだんとお客様が集まるようになってきたのです。これまでのキッチンは昔ながらの造りで、いちばん奥にあったんです。お客様を招いたとしても、キッチンに立っているとどうしても孤立してしまう場所だったんですよね。そこをアイランド型に変えたことも大きかったかもしれません。

学生時代のお友達、犬友のみなさん、テニスのお友達、お仕事での友人。それから、芸能界でのお友達。

コロナでしばらくお休みしていましたが、毎年バラが美しく咲く季節には、1日おきくらいにお客様をお呼びして、おいしいお菓子を買ってきて、小さなお茶会を開いています。

そうそう、小学生のころからの同級生グループに麻雀好きな人がいたことが発端で、わが家に集まって麻雀大会をするのも恒例になりました。麻雀卓をレンタルして十数名の麻雀大会は、ゴルフコンペみたいですごく楽しいんですよ。このときに私がふるまう「まかないごはん」も好評なんです(笑)。

わが家での集まりを楽しみにしてくださる方もいらしゃるし、友達が友達を呼んできておつき合いの輪も広がるし、おうちを建て替えて本当によかったと思います。

――花子さんも舞子さんも結婚され、お孫さんにも恵まれて。

柏木:はい、もう世のみなさまと同じく、孫はかわいくてたまりません。

娘たちとはいつの間にか、友達みたいな関係になりました。洋服の最近の着こなし方や新しい化粧品の情報を聞いたり、スマホの使い方を教えてもらったり。おいしそうなお店があると連れだって出かけたり。

娘たちと一緒にいると、「ああ、幸せだな」と心から思っている自分に気づきます。どん底も経験して、悲しいこともたくさんあったけれど、今は笑って暮らせています。こんなにも楽しくこんなにも幸せ。

そして、まさかの70代になって、大好きだったおしゃれをご紹介する本を出すという幸運も舞い込みました。これからも、おしゃれを味方に、元気に楽しく生きていきたいと思います。

 

すべて私物、セルフコーディネートで77の着こなしを紹介している、柏木由紀子さんの新刊『ファッションクローゼット』(扶桑社刊)は発売中。

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