「シニア世代のファッショニスタ」として話題の女優・柏木由紀子さん(75歳)。先日、初めてのファッションブック『柏木由紀子ファッションクローゼット』(扶桑社刊)が発売。こちらは発売前重版がかかるほど大好評。そんな柏木さんのスペシャルインタビューを3回に渡ってお届けします。3回目の今回は年齢を重ねてからの暮らし方についてお話しいただきます。
すべての画像を見る(全3枚)夫と死別、子どもたちの独立…。柏木由紀子さんの今の暮らし方
――年齢を重ねると、新しい人間関係をつくるのは難しくなってきますよね。お嬢さんたちに「友達をつくった方がいいよ」「趣味をもったほうがいいよ」と背中を押されてのお仲間づくり、どんなふうにされたのですか?
柏木:私はもともと自分から進んでなにかをやるというタイプではないし、お客様をうちに招いておもてなしするといったことに積極的なほうでもなく、友達や仲間をつくるのは決して得意ではないんです。
とくに結婚してからは、主人が夫であり友達でもある、というような存在だったので、2人で過ごすことにすっかり満たされていて、たまに昔のお友達に会えればもう十分という気持ちで。だから、人間関係を広げる努力をしてこなかったんです。それだけに、娘たちの言葉にはハッとさせられました。
とはいえ、まったく新しいところへ入っていくのはちょっと不安です。なので最初に向かったのは、主人と一緒に通っていたテニスクラブ。主人との思い出がありすぎて、一時は前を通ることもできなかった場所です。
久しぶりにテニスで汗を流して…。うーん、そうですね。以前のように「あー、すごく楽しかった!」というのとは、ちょっと違いましたね。
でも、かなりご無沙汰の私を、みなさん、ものすごく温かく迎えてくださって。ああ、私たちは優しくていい方たちに囲まれてきたんだなあと改めて実感しました。とても居心地がよく、それからは少しずつ1人で参加するようになりました。
人間関係を新しくつくっていくって、どうしても時間がかかりますよね。ただ、私の場合、幸運なことにおうちを建て替えたことが、お友達の輪をぐんと広げるきっかけになりました。