●夫が一生懸命働いて買った家を守るのが使命に

柏木由紀子さん
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――家族4人の思い出の家を建て替えたのですね。

柏木:子どもたちが巣立ち、1人になったら、コンパクトなおうちに住み替えることを考えますよね。でも、私はこれまで暮らしてきた家をどうしても守りたかったんです。坂本九が一生懸命働いて買ったこの家を守るのは、私の使命だと思いました。

とはいえ、古い家で間取りも設備もとても使いにくかったので、手を入れないといけません。さて、リフォームか、建て替えか。

決断にとっても時間のかかる私は、なんと10年間も悩み、2004年にようやく自宅を立て替えたのです。

外観は以前の家をほぼそのまま生かし、内装も主人と暮らした家のイメージをできるだけ残しながら、主人が好きそうな素材を選びました。そしてお仏壇はリビングの中心、いつも見える所へ。

1階はそれまであった和室を取り払い、広々としたリビングに。そして、キッチンはリビングに向かって立つことのできる、アイランドキッチンに。

将来娘たちがそれぞれの家族を連れて楽しく集まれたら、坂本九のギャラリー的な要素が残せたら、古くからのお友達やこれから出会うみなさんに気軽に来ていただける場所がつくれたら――。

そんな思いを実現すべく、時間もエネルギーも注ぎ込んで、自分でも信じられないくらいの行動力を発揮して、ついに希望通りの家が完成。長年の夢が形になったときの感激は忘れられません。