住宅を購入する決め手は、さまざまな要因があります。そのひとつに「実家からの距離」があがることも。両親の近くに住むとなにかと心強いですが、場合によってはつらい場面も‥。実際に、実家の近くに建売住宅を購入して暮らしている日刊住まいライターが、そのメリットとデメリットを語ります。

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家を買うときは、実家との距離も考えておくべき
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住宅を購入する際に検討した「実家との距離」

観葉植物

筆者は長女、夫は長男です。そういった意味で、そもそも近くに住むことを親に求められるという雰囲気もありました。

友人のなかには、心の負担を減らすために、あえて離れて住んでいるケースもありますが、筆者は近くに住むことを選びました。ちなみに、筆者の両親の家からは車で10分ほど。夫の実家からも20分ほどの距離です。

なぜ実家の近くに住宅を購入したかというと、以下のような経験があったから。

筆者の祖母は離れた土地でひとり暮らしをしていました。高齢になって介護が必要になっても、慣れた土地を離れようとしません。私たち家族が交代で飛行機に乗り、お世話のために家に通っていました。

その経験をふまえて、親が助けを必要としたとき、自宅からサッと助けに行ってあげられる環境をつくりたかったというのが、大きな理由でした。

そんなわけで、実際に両親の家の近くに住むことになった筆者。日々、感じていることをお伝えします。

 

実家の近くに住むメリット

●両親からの援助を受けやすい

冠婚葬祭グッズ

まずはこれに尽きると思います。なにか困ったことがあったり、急に必要なものがあったりしたときに、家族が近くにいると助けてもらいやすいです。

たとえば、筆者は母と妹とで冠婚葬祭アイテムをシェアしています。これらのアイテムが急に必要になったとき、すぐにピックアップに向かうことができるのは心強い。

わが家の場合は、うっかり買い忘れてしまったストッキング、なくしがちな薄墨の筆ペンなどこまごましたものまで共有することもあります。

冠婚葬祭に限らず、いろいろなものをシェアできるのは安心です。

 

●情報交換やサポートがしやすい

女性

近くに住むと、やはり実家に帰る頻度も高まります。親子間の情報交換が自然に生まれるもの。近況もそうですし、「今はこういう詐欺があるから。気をつけてほしい」といった注意喚起もしやすいです。とくに親が高齢の場合は、近くにいてくれると目が届いていいなと感じます。

また、親子関係にもよりますが、わが家の場合、長男、長女はどうしても親からの頼まれごとが多いです。家の片づけはもちろんのこと、緊急連絡先の代表者としてもよく選ばれます。

近くにいると、書類を書いたり話を聞いたりするために、親と一緒に出先に向か合うことも。必要なときにさっと行ける距離というのは、大きなメリットです。

 

●住み慣れた街で暮らす安心感

実家の近くに住むということは、そもそも土地勘があるということ。街の情報がすでに自分自身にある状態で暮らせるので、なにかあったときにスムーズに対応しやすいです。

たとえば、突然、お医者さんに行くことになったとき。かかりつけがないと、どこに行っていいかわからずあわててしまうものです。そんなときでも「近隣で評判がいいのはあそこ」と口コミ情報を得ている場合も多いので、やみくもに探すということを避けられるケースも。