貯金額が1億円超。地道な節約生活を経た夫婦の暮らし

1000万円貯めるだけでも大変な世の中。しかしなんと、金融資産が1億1500万円というESSE読者がいました。
いかにして貯めたのか？　その紆余曲折のストーリーを取材しました。

“投資しないと資産は増えない”1億円を手に入れるまでの道のりとは？

1億円貯めた夫婦のヒストリーを取材

伊藤愛子（仮名）さんは、現在世帯年収700万円。貯金額は、なんと1億1500万円です。
「でも、最初から貯めようと思っていたわけではなくて、周囲に影響されて、なんとなく始めたのがきっかけでした」

1億円を手に入れるまでの、紆余曲折のストーリーを教えてもらいました。

●ゲーム感覚で貯める楽しさに目覚めた

初めての貯金は、大学生のとき。
「地元の大学に進学したのですが、経済的に余裕がなく、バイトをかけもちしていました。周囲のみんなが貯金していると聞いて、私もやってみることにしたんです」

一度貯め始めると、「いくらまで貯められるか」と、ゲームのようにおもしろくなってきて…。大学4年間で300万円を貯金して、卒業旅行などに使ったそう。

卒業後は、地元でマスコミ関係の会社に就職。忙しくて遊ぶ暇がなく、貯金は自然に増えました。そんなある日、仕事の資料として投資関係の本を読み、預貯金の金利の低さを初めて知ってがくぜん！

「それまで貯める＝預貯金しか考えなくて、金利も気にしていなかったのですが、周囲にはネット証券で株を売買する人が大勢いました。影響を受けて私も株式投資やFXを始めたんです」

2007年、投資が趣味の夫と結婚。伊藤さん1500万円、夫5500万円の金融資産があり、悠々自適の新婚生活…のはずが、新婚旅行の最中にサブプライムショックで、所有の株などが15％も下落。さらに、翌年、夫の転勤で地元に戻って家を購入した直後に、リーマンショックが直撃します。

「直前に家をキャッシュで買ったこともあって、資産は2400万円まで激減しました。追い打ちをかけるように、翌年はギリシャショック！　とくにFXの損失がひどく、まばたきするあいだに画面の資産が100万円単位で減っていくんです。一時は、怖くてパソコンが見られないほどでした」

●市場回復で資産1億円。今後も攻めて増やす

資産が2000万円まで減った伊藤さんは、気持ちを切り替え、「まじめに節約しよう」と決め、地道な貯金生活に。
「旅行やレジャーを控え、翌年、長女が生まれて仕事を辞めてからは、外食もせず、洋服も買わず。ひたすら出費をきりつめて、年間400万円を貯金に回しました」

市場がようやく回復の兆しを見せたのは、2012年にアベノミクスが始まってから。
「翌年から2年間は、株もFXも絶好調で、資産が1億円を超えたのも、この頃。二女の出産で相場を見ることができずに損失を出した時期もありましたが、幸い大きなダメージにはなりませんでした」

2018年には、再び夫の転勤で、社宅に転居。自宅は賃貸に出し、月10万円の家賃収入も入るように。
「投資は今も続けています。痛い目にもあったので、けっして人にはすすめませんが、攻めないと資産が増えないのも確かですから」

伊藤さんの夢は、貯めたお金で、子どもがもう少し大きくなったら海外を旅行すること、そして、子どもが進みたい進路を全面的にバックアップしてあげること。
「子どもには、いろいろな世界を見せてやりたい。資産運用の世界についても、私が学んだことを伝えたいと思っています」

世界的な金融不安で資産が激減する前は、夫婦でニューヨークや中国、沖縄などあちこちへ旅行。
「外食や観劇など、レジャー費はかなり多かったと思います」

ビニール袋の中身はオブジェを中心にした美術品。

「投資目的もありますが、好きな作品だから、売れなくてもいいと思って。趣味として楽しんでいます」

億単位の貯蓄ともなると、さすがに手が出ない…と思う方も多いはず。でも、果敢に挑戦することで夢は実現できます。伊藤さんのケース、ぜひ参考にしてみてください。