DIYは自己満足ではなく、家族のためにできる範囲で
すべての画像を見る(全6枚)DIY自体が初めての経験だったというAさんには、ウッドデッキをDIYでつくるというのは無謀だったよう。
では、わが家でDIYを楽しみたい、思い出をつくりたいと思っているのなら、どういう方法があったのでしょうか。一級建築士・大島健二さんが詳しく解説してくれました。
●一級建築士・大島さんのアドバイス
住宅が商品のように扱われるようになった今、自分でできることは自分でやる、というDIYの考え方自体は、大いに尊重されるべきです。
ひとり暮らしでDIY自体を自己満足で楽しみたいというのなら、いくら時間がかかっても構いません。しかし、一緒に住む家族が満足できないレベルの腕前なら、コストがかかっても専門業者さんに頼むべきでしょう。
今回の場合では、「住み始めたらすぐに庭でバーベキュー」したかったのだと思います、それが家族の願いですから。自己満足でなく家族を巻き込んでDIYしたければ、ウッドデッキの完成までは業者に依頼。
たとえば、仕上げの部分でペンキ1缶で塗れる範囲内の塗装をするという程度でもよかったのでは。もしくは、子どもたちでもできる容易なDIYで思い出づくり、といったあたりにとどめておくべきだったでしょう。
それでも自身のDIY欲を満たしたい場合は、家族に迷惑をかけない範囲内でこっそりとする必要があります。
●教えてくれた人:大島健二さん
一級建築士。OCM一級建築士事務所主宰。住宅から商業施設まで、和・洋・中の概念を超えたデザイン性の高い空間を提案している。『家づくり解剖図鑑』『建てずに死ねるか!建築家住宅』『下町の名建築さんぽ』など著書も多い