住宅番組のMCを務め、ついに住宅探訪の本まで出してしまった家好き芸人・アンガールズ田中さん。なんとおしゃれの発信地・東京の原宿に60年前から立っているという、昭和感満載の戸建てを訪ねました。ここは、実家をリノベーションした、平山真さんと斎藤裕美さんの事務所兼自宅。「え~ ! なんか懐かしい雰囲気なんですけど」と田中さんもびっくりです。
すべての画像を見る(全19枚)まるで実家に帰ってきたよう!心がなごむ和風玄関
ガラガラガラッと音がする昔ながらのガラスの引き戸をあけると、洗い出しの床の玄関。「え~ ! なんか懐かしい雰囲気なんですけど」と田中さんが驚くのは、SHIP ARCHITECTSを共同主宰する平山真さんと斎藤裕美さん夫妻の事務所兼自宅です。
昭和感満載の建物もさることながら、原宿の竹下通りから徒歩10秒(!)という場所であることにも驚かされます。
「戦後、祖父母がここに平屋を建て、60年ほど前に2階増築を前提とした平屋に建て替えて、その後、母の出産を機に2階を増築。1階に祖父母、2階に私の家族の二世帯で暮らしてきました。焼け野原に家を建てたら周りが原宿になった、という感じです」(平山さん)
独立を機に、祖父母が亡くなったあとそのままになっていた1階を、事務所兼自宅に、両親が住む2階も同時に耐震補強を施しつつ、リノベーションを行いました。
グラデーションのすりガラス入り引き戸や洗い出しの床は、既存のまま。戸をあけた瞬間、懐かしい雰囲気に包まれます。ラワン材でつくられたゲタ箱も、空間に調和。
斎藤さんの実家からやってきた10歳の柴犬テツをマッサージする田中さん。すっかりテツの心をつかんだよう。
【この住まいのデータ】
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▼家族構成
夫40代 妻40代 長女▼住宅の面積
敷地面積/106.26㎡(32.08坪)
延床面積/63.70㎡(19.23坪)
壁を補強しつつ既存の建具を生かす
「もとの建物の雰囲気や要素を残したかった」(平山さん)ことから、木造モルタル2階建て瓦葺きの外観はそのままに、耐震改修パネルと鋼製ブレースで内側から補強。内部も基本的には既存のままで、雪見障子のある和室は風情たっぷりです。
「ここが原宿とは思えない~」としみじみする田中さん。縁側から庭を眺め、柴犬テツとたわむれながら昭和の空気感を楽しみました。
柱が露出した真壁が印象的な和室。柱を一部増やし、壁の塗装はDIY。田中さんの前にある文机は、平山さんの母が幼少期に使っていたもの。子から孫へと受け継がれ、現在は長女が愛用しています。
琉球畳に張り替え、寝室として使用。ふすまも既存のまま。