その人生、本当に幸せ?救い出す方法はあるのか?

父の葬儀や四十九日も無事にすませて、やっと普通の生活に戻った頃。亡くなってすぐは本当にあわただしくて悲しむ余裕もなかったけれど、いつもの生活が戻ってくると「あぁ、もうお父さん、この世にはいないんだな」としみじみ実感してしまう場面が増えました。そんな時です。ふと従姉からLINEで連絡が来ました。

●他人には言えない本音も、親族だからこそ話しやすかった

「最近、どうしてる? 元気かな?」というような内容だったので、私は父親が亡くなって数か月したら急にさみしさが押し寄せてきたことや、子どもの受験も控えているから家の中でめそめそしにくいことなど、苦しい近況を打ち明けました。

私はあまり夫や友人にもこういう話はせず、普段はどちらかというと平然を装っていたりしたのですが、元気だった頃の父親を知っている従姉だったからこそ、ちょっと吐きたくなった弱音。親が宗教をやっているからとはいっても、従姉は昔と変わらない様子だったし、私は世間一般的な親戚づき合いができたらいいなと思っていました。
従姉の方も自宅で両親の介護を一人でしているといい、パートをしながら手一杯な日常を送っている様子。お互い、他人には言いづらい愚痴をこぼし合いながらうまくリフレッシュできているのかなぁという日々が続きました。ところがあるとき、その関係に変化が訪れます。

●親は親、子どもは子どもだと思っていたけれど…

水晶
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私の子どもの受験が迫っていたある日。塾にかかるお金のことやママ友間のマウンティング、そしてたまに押し寄せてくる父の死の悲しみなどが重なり、かなり精神的に削られて、ヘトヘトになってしまったことがありました。別になにか解決策がほしかったわけではないけれど、そのときのハードな状況をただだれかに聞いてほしくて、気持ちを詳細にLINEで送ったときのことです。

従姉から「ここのサイトに書いてあることを実践していけば、きっといい方向へ物事が進んでいくと思うから、元気を出して」という内容が送られてきたのです。なんだろう? と思ってあけてみると、それは従姉の家族が入信している宗教のサイト。神様がどうのこうのという教祖のメッセージみたいなものが書かれていました。

従姉は結婚もしていないし、子どももいないし、介護中とはいえご両親はまだ生きています。もしかしたら私の苦労や悲しみに対して、本当はどう反応していいかわからなかったのかなとは思いました。けれどその後もなにかにつけて、その宗教へ誘導するようなやりとりが増えていきました。

しかし、私もだんだんと冷静になり「え? このタイミングでこういうものを送ってくるんだ…」とドン引き。親が宗教に入っていても子どもは子ども、そう思っていたのですが、勧誘を受け続けて、従姉の家を嫌っていた母親の気持ちがようやくわかりました。