Beforeというベースがあるから、リノベはおもしろい

ワークスペース
キッチンからワークスペースへはダイレクトにアクセスできる。普段は視線や光をさえぎらないように開放
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以前も中古マンションを購入し、自ら設計してリノベーションした経験を持つ伯耆原さん。1件目が完成してすぐ、夫婦ともに在宅勤務が増えたことをきっかけに、次の物件探しをスタートしました。ですが、2件目の物件探しは難航したといいます。

 

ワイドなワークスペース
ワイドなワークスペースではふたり並んで仕事ができる。背面はオリジナルハンガーパイプを設置し、オープンクローゼットに

「リノベ→住む→売却して次の作品へ、という流れにできるよう、物件にはリセールバリューが必須。『コレ!』という物件にはなかなか出会えませんでした」

 

玄関ホール
玄関ホールはダークトーンにしてLDKに入ったときとのギャップを演出

「また、私はリノベは『Beforeのよさをどれだけ引き上げるか』であって、Beforeを打ち消してAfterを上書きするものではないと思っているんです。白紙からスタートするのではなく、ベースがあるところからつくり込むのが、新築にはないリノベのおもしろさ。そういう想いもあって、ベースとなる物件選びはすごく大事にしました」と話す伯耆原さん。

 

洗面
洗面台はLDKの入り口付近に。洗面ボウルをあえて中心からずらしたことで作業スペースが生まれ、ふたり同時でも使いやすい

2件目の自邸は、やわらかい曲線とフレッシュなグリーン、そこにシャープさをプラスする鉄製のオリジナル作品が調和した、視線も風もしなやかに通り抜ける住まいとなりました。

 

サニタリー

サニタリーはピンク×オレンジというポップな配色。洗面台をリビングに配置したため、脱衣スペースはゆったり。全体的にグリーン系のカラーが多いため、扉で仕切られた水回りはあえて補色を使って印象的に。

 

トイレ

トイレ。スラリとしたアイアンの収納など、オリジナルブランド「Ferrum+(フェルムプラス)」のアイテムは、今後オンラインで販売予定。

 

この家のデータ&使われている素材と設備

建物規模:地上3階建ての2階

素材
玄関
床:パーテイクルボード(以下PB) 壁、天井:塗装
LD
床:PB、リノリウム 壁:塗装 天井:躯体現し
キッチン
床:PB、リノリウム 壁:塗装 天井:躯体現し
寝室
床:PB、リノリウム 壁:塗装 天井:躯体現し
ワークスペース、WIC
床:PB、リノリウム 壁:塗装 天井:躯体現し
洗面室、トイレ
床:PB、リノリウム 壁、天井:塗装

設備
キッチン
タカラスタンダード
サニタリー
ユニットバス:タカラスタンダード
トイレ:TOTO
洗面ボウル:VILLEY&Boch

設計:HAMS and, Studio

31歳で2件の自邸リノベーションを完成させた建築家の伯耆原洋太さんが、2022年に設立した一級建築事務所。独立前は竹中工務店設計部に7年間勤務し、市庁舎や放送局などのプロジェクトを担当。ライフスタイルに合わせて自邸を住み替える暮らしを実践中

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