これからの寒い時季は、お風呂が楽しみですね。でも注意したいのが寒暖差によって心筋梗塞などが引き起こされる「ヒートショック」。50歳になったばかりのカウンセラー・エッセイストの若松美穂さんが、温泉で倒れた経験について語ってくれました。

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ある日の私は温泉から出た後、浴室の脱衣所で倒れたようです。
倒れた瞬間のことはまったく覚えておらず、その後もしばらく気がつかなかったのですから、入浴中であれば溺れていました。冬場に増える事故なのだそう。

記憶にあるのはお風呂から上がって少したち、少し座りたいなと鏡のある方へ向かったこと。そこまでは覚えているのですが、「急に倒れた」と、近くにいたご婦人談。

温泉の脱衣所
温泉の脱衣所で急に倒れ、その前後の記憶はありません。(※写真はイメージです。以下同じ)
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気がついたときには横になっていて、そのご婦人の「大丈夫?」という声が聞こえ、施設の方が体に数枚のタオルをかけて下さっていました。

 

●年間1万人以上がお風呂で亡くなっている!

これがヒートショックなのか、浴室内熱中症(のぼせ)だったのかハッキリとはわかりません。でもたしかなのは、自宅の浴槽内で一人きりで倒れた場合、命を失いかねない事態だったということ。

男性

ヒートショックとは、急激な温度変化によって血圧が急激に上下し、心筋梗塞などの健康被害を引き起こすものです。

入浴中になんらかのアクシデントで命を落とす人は年間約1万4000人とも、ほかの調査では1万9000人とも推計されています。そのうちヒートショックが原因の場合も相当数が含まれているとみられており、今や交通事故による死亡者数より多くなっています。

ずっとヒートショックは高齢者に起きるものと信じて疑わなかったのですが、状況によっては、自分にも似たようなことが起こるのだと怖くなりました。

 

●冷えた体で温泉へ。その日に限って飲み水も見つからず…

女性

私は普段から、お風呂や温泉が大好きです。ただ若い頃との変化もあります。サウナや長風呂への苦手意識が出てきました。
昔は好きだったのですが、今はのぼせないよう、気をつけていました。
また、入る前と後の水分補給も欠かさなかったんです。

ただその日は、いつもと状況が違いました。
夏模様から一気に気温が落ちた日で、さらに私は日中、気温10℃以下の山の中にいました。当然、用心して必要以上に着込んでいたし、体にカイロもはっていました。

めまい

それでも外にいる時間が長くなるにつれ、思ったより体温が落ちていたのでしょう。
冷えた体を温めようと近くの温泉に向かい、今度は浴室で一気に体温が上昇したようです。
身体の冷えを感じ、しっかり体を温めよう…と、いつもより長く入ったような気もします。

しかもその日に限って、入る前も出てからも、ウォーターサーバーを見つけかねました(実際は設置があったようです)。

目が覚め、問いかけに反応ができるようになった後、首筋を冷たいタオルで冷やしてもらい、コップ一杯の水を飲んだ後は、起き上がれるようになりました。

そばにいてくださったご婦人が、「つい先日、私も同じ経験をしたのよ」と仰っていました。施設の方まで「私もなったことがあります」と。気をつけてはいたけれど、本当に身近なことなんだとゾッとしました。