暑さがやわらぐ季節は、それまでの疲れがどっと出てくる時期でもあります。眠れない、汗が止まらないといった症状は更年期という可能性も! 医師の高尾美穂先生にすぐ実践できるセルフケアを伺いました。
もしかしてその症状、更年期かも!?
すべての画像を見る(全7枚)眠れない、ほてりや汗が止まらない…、そんな症状が出てきたら更年期の可能性も。
●今は更年期症状がとくにしんどい時季
「更年期になると、卵巣から思うように女性ホルモンが分泌されません。指令を出しても分泌されない状況に視床下部は大混乱。自律神経のバランスが乱れがちになります。そこに夏の暑さや生活リズムの乱れなどがWパンチとなり、自律神経に負担をかけるのです。
暑さが一段落するこれからの季節は、これまでの負担が一気に出て、ほてり、疲れなどのしんどい更年期症状が増幅する可能性があります」
と話すのは、産婦人科医の高尾美穂先生。生活習慣の見直しやセルフケアでは立ち行かず、暑さが落ち着いても体調がなかなか回復しない場合は、更年期症状が強く出ている可能性が。
「夏疲れが出やすい季節だからこそ、運動で自律神経活動を活発にしたり、夜はよく眠れるよう睡眠環境を整えたりしましょう。それでも体調が戻らず、しんどい場合は病院へ。漢方薬や病院で処方してもらえるHRT(ホルモン補充療法)も検討してみましょう」
●女性ならだれでも訪れる!閉経前後の10年間のこと
仮に50歳で閉経するとしたら、45~55歳の10年間が、更年期に当たります。早い人では40代前半で更年期症状が現れることも…。
閉経が50歳だったら…
・更年期:45~55歳ごろ
・ビフォー更年期:~45歳ごろ
・アフター更年期:55歳ごろ~
夏の終わりはこの2大症状に注意!
秋めいてくる季節に出る2つの症状は更年期が原因かもしれません。
●症状1:夜中に目が覚めてぐっすり眠れない
「ホットフラッシュ」と呼ばれるほてりや発汗は、寝ている間でも起こります。体温をコントロールできず、中途覚醒の原因になり、睡眠の満足度が低下。疲れがとれにくい状態に。
<これで解決!>
→自律神経が安定する涼しい室温に
冷え防止のため、エアコンをオフにして眠る人も多いですが、残暑がまだ厳しい時季。エアコンで室温をやや涼しめに保ち、夏用の布団をかける方が快適に眠れる場合が多いです。
●症状2:ほてりや汗など体温の調整がきかない
厳しい残暑は、私たちの自律神経を調整する視床下部にとって、大きなストレス。自律神経の交感神経がたかぶっている状態が続き、異常発汗やほてりが治まりにくい状態に。
<これで解決!>
→軽い有酸素運動を取り入れる
少し汗をかく早歩き程度の有酸素運動を定期的に行い、自律神経活動を活発にして。運動後、たかぶった交感神経が副交感神経にスイッチしやすくなり、体温調整がうまくできる体に。