ありのままを最大限に楽しむリノベです!

味わいのあるダイニングテーブル
味わいのあるダイニングテーブルは、坂田さんがリノベを担当したお宅の施主から譲り受けたもの
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施主のDIYをサポートしながら、一緒に楽しむ家づくりを提案するユニークな設計・施工集団「HandiHouse project」の創業メンバーである坂田裕貴さんの自邸は、傾斜地に建つ個性的なテラスハウスをリノベーションした住まい。

リノベのきっかけは妻が2人目の子を妊娠し、住んでいた家が手狭になってきたことでした。加えて、コロナ禍になり、家での時間を楽しめる住まいに引っ越したいと思っていたときに、たまたまネットで見つけたこの物件がひと目で気に入ったそう。

 

鉄棒
子どもたちが遊んでいるのは、坂田さんが手づくりした鉄棒

さっそく妻と一緒に見に行き、「まるでトトロの森」(妻)という広い庭を目の当たりにした夫妻は、購入を即決。賃貸マンションでは下の階に気を使ったり、コロナ禍で子どもの遊び場がなくて苦労したりしていたことから、自由度が高く戸建てのように暮らせるテラスハウスであることも決め手になりました。

傾斜地のため、前面道路側は駐車場。その上の1階に玄関があり、LDKなどが配されたメインとなる2階の南東側に、自然と触れ合えるワイルドな庭がつながっています。

樹木が伸び放題だった庭は木や草を取り除き、大勢で食事ができる自作のテーブルを設置。LDKに明るさと開放感をもたらしている中庭にはハンモックなどを設置して、家族のくつろぎの空間を実現しました。

 

ガラスの照明器具は、既存を活用
ガラスの照明器具は、既存を活用

建物は築42年と年数はたっていたものの、外観も内装もレトロでこだわりが感じられる個性的なデザイン。そこで、間取りは大きく変更せず、建具や照明器具なども既存の味わいを生かしつつアレンジしながら使っています。

 

階段上り口のエレガントな手すり
階段上り口のエレガントな手すりも既存を生かしたもの

「おかげで昔から住んでいたような、実家感のあるリノベができました(笑)」と妻。

 

プレイルームの床
プレイルームの床は、いずれ貼り替える前提でラワン合板を採用。子どもたちが絵の具やクレヨンで汚してもOK

「ストレスなく暮らすことが大切だと思っているので、『子どもが汚すと嫌だな』と思うより汚してもいい素材を選んだり、開け閉めに手間がかかる扉も必要最小限にしたり」と坂田さん。

住まい手にも環境にも負荷のかからない、SDGsな住まいが実現したようです。

 

この家のデータ&使われている素材と設備

建物規模:2階建て
設計期間:2020年7月~ 9月
工事期間:2020年9月~ 11月

素材
玄関
床:既存タイル 壁、天井:塗装
LD
床:ウバン無垢フローリング 壁:砂漆喰 天井:ラワンベニヤ
廊下
床:ウバン無垢フローリング 壁:砂漆喰 天井:塗装
キッチン
床:ラワンベニヤ+塗装 壁:塗装 天井:ラワンベニヤ
洗面室
床:ラワンベニヤ+塗装 壁、天井:塗装
寝室、プレイルーム
床:ラワンベニヤ 壁:漆喰 天井:ラワンベニヤ
ワークスペース
床:ラワンベニヤ+塗装 壁:塗装 天井:塗装、躯体現し

設備
キッチン
オリジナル
コンロ:パロマ
レンジフード:富士工業
食洗機:リンナイ
水栓:LIXIL
サニタリー
浴槽:BETTE(ベッテ)
シャワー水栓:TOTO
トイレ:LIXIL
洗面ボウル:カクダイ
洗面水栓:サンワカンパニー

設計・施工:HandiHouse project(坂田裕貴)

2011年設立。住まい手を巻き込んだ施主参加型の家づくりを実践する建築家集団。キャッチコピーは「妄想から打ち上げまで」。家を楽しむコミュニティ「HandiLabo」を展開するほか、住まい手と一緒に家づくりに取り組むつくり手を増やし、全国にネットワーク化していくことも画策中

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