●加害者側の子どもとうまく距離を取る方法は?

子どもと子ども
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では立場が変わり、わが子が被害者側で、加害者であるお友達とまだなお遊びたがっていたら? そしてそのことを、親御さんが好ましく思わない場合、無理に引き離してもよいのでしょうか。

「子どもにとってはその友達が大好きなんですね。その気持ちは尊重しつつ、他に目を向けることに力を注ぐといいでしょう。具体的には、他にもっとおもしろい遊びを見つけるのです。

特に就学前の子どもに言えることですが、子どもは“お友達”を選んでいるように見えて、“遊び”を選んでいることの方が多い。たとえば公園に行き、砂場で初対面の子どもたちを一緒に水を使って“水路”をつくり始めた。それはその子と遊びたいというより、“水路”づくりが楽しそうだから飛び込んでいくんです。

ここから言えることは、友達を増やそう、別のお友達とかかわらせようと仕向けるよりは、遊びから子どもの人間性が広がるように、新しい公園に連れていくとか、新しい遊びの提案をしてみる方が、有効だということ。もしかしたら子ども本人も、そのお友達と遊びたがっているように見えて、その子とやっている遊び自体が楽しいと感じているだけかもしれません。大人でも、新しい趣味や習い事から人間関係が広がることがありますよね。それと同じです」

 

●子どもの問題行動、どうしたら止められますか?

Q:「わが家には、上が4歳、下が2歳の姉妹がいます。上の子は度注意しても下の子の髪の毛を引っ張って泣かせます。私の言い方が悪いのでしょうか。子どもに響く伝え方があれば教えてください」(29歳・主婦)

 

てぃ先生の回答

「長年保育士をしている経験上、年齢にもよりますが、基本的に2歳頃を超えると、やっていいことといけないことの線引きが徐々に引けるようになり、3歳、4歳、5歳と徐々に大きくなるにつれ、線引きがより明確になって守れるようになります。その上で、やってはいけないことわかっていながらやっている場合、伝え方の問題ではなく、そもそも子どもが自分に対して目を集めたい、構ってほしいという動機の方が大きいように思います。

子どもを叱る親
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質問者さんのケースのように、何度言っても妹さんの髪の毛を引っ張る場合、やってはいけないとわかった上で、その行為をすると親が自分に構ってくれるという無意識の期待からやっている可能性もあります。つまり、『どうしたら妹の髪の毛を引っ張らないようになるか』ではなく、『なぜ妹の髪の毛を引っ張るのか』という視点で考えてはいかがでしょうか。子どもからしたら、お絵描きした絵をほめてもらうときは、少し離れた場所で洗い物をしながら答えてくれる。だけど妹の髪の毛を引っ張って泣かしたら、洗い物の手を止めて自分のところにすっ飛んでくる。しかも、ほめている時間より叱る時間の方が長いと、いいことをするより悪いことをした方が長く自分に構ってくれる…。そうなると、何回言われても正しい行動をしない方が子どもにとっては正解のルートになるのではないでしょうか。

その場合、悪いところばかり目を向けて叱るより、いいことを言葉にして、ほめる時間を増やした方が、効果は感じられるかもしれません。あるいは、たとえば絵本を1冊読んだら子どもの気持ちが満たされたということもあります」

意外にも、子どもとスキンシップを十分に取った後は、素直に言うことを聞いてくれるという声もよく聞かれます。

 

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