歳を取ることを楽しむフランス人。50歳、60歳といった記念すべき誕生日に、自らパーティを企画することも多いそうです。その理由や、自分で企画したパーティの楽しみ方は? フランス生活文化研究・翻訳者のペレ信子さんが教えてくれました。
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フランス人から学ぶ、自分をいちばん喜ばせる誕生日の祝い方
50歳や60歳は節目の年。記念すべき誕生日を、なにか特別なことをして過ごしたいですよね。
「だれかがすてきなパーティを企画してくれるんじゃないかしら」「企画してほしいな」と期待しても、それが裏ぎられたときの残念な気持ちは大きい。だから、フランス人は自分でパーティを企画してしまいます。
●お祝い事も歓送迎会も、ほかの人がやってくれるのが当然ではないのです
だれかのお祝いごとや歓送迎会を周りが気を使って準備するという日本の文化は、本人が期待していなかったときほど感動します。みんなが私のことを考えていてくれたんだ、と。
でも大人になって何回かこのパターンを経験したあとは、「今回もきっとだれかがなにか企画してくれるはず」と期待してしまいませんか?
たとえば50歳の誕生日が来るとして、きっとだれかがサプライズを準備してくれているはずと思うのはちょっとリスキー。家族も友達も自分のことで忙しい。もちろんSNS上で見るような、想像もしていなかったサプライズを仕掛けてくれる人もいるかもしれませんが、そのほうが少数派。
しかもサプライズが準備されていても大人の女の勘で、たいていのことは感づいてしまうものです。
●フランス流に自分の誕生日を企画するのは、じつは楽しいことばかり
小学生のときの誕生会のことを覚えていますか? クラスで好きなお友達を呼んで家で一緒に遊んだり、ケーキを食べたり。あの会がすばらしかったのは、プライベートな空間で自分の好きなお友達を呼んで楽しめたこと。そして主役の自分をみんなが大切に扱ってくれたことではないでしょうか?
ほかの人にお膳立てしてもらったパーティもうれしいですが、自分で企画する誕生会は自分の好きな友達を呼んで好きなように企画できるのがいいところ。普段よく会う人でなくても、「この人ともっとお話したいな」と思う人を呼んでもいいのです。自分のパーティにだれを呼ぶのか考えていると、意外に自分の友達関係の棚おろしにもなります。