人生の折り返し地点を過ぎ、安定した毎日を送る人も多い50代。ときには自分とまったく違う感じ方をする友達と交流して、新鮮な刺激を受けてみませんか? 「相手の年齢や文化にとらわれない友達づき合いをする」というフランス人の考え方を、フランス生活文化研究・翻訳者のペレ信子さんが教えてくれました。

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50代から始める、フランス人みたいな友達づき合い

仕事場でも家庭でも、どこでもその分野のベテランとして見られる50代。つき合いの長い安定した友情も手に入れています。でもその安定した環境に満足していると、視野が狭まったり、心の柔軟性を失ってしまいそうだと思うことがあります。

年齢や社会的地位など関係なく友達をつくっているフランス人たちは、どんな友達づき合いをしているのでしょうか。年下の友達との交流から得られるものは?

●フランス人は気が合うと年齢とは関係なく友達になる

フランス1

フランスに住んでいるときに驚いたことのひとつが、世代を超えた友情がめずらしくないことでした。フランス人は「この人と気が合いそう」と思うと、お互いの年齢とは関係なく友達になるのが得意なようです。

フランスで就職し、初めてできたフランス人の親友は私の親世代。すでに勤続数十年の彼女と、新入社員の私。日本的に考えると先輩と後輩でしたが、毎日一緒にいるうちに仕事以外の話をするようになりました。

私は彼女からフランスの暮らしやフランス人の考え方について話を聞き、私は彼女が興味を持つ日本のことをよく話しました。お互いに知らない世界のことを教えてもらい、ほかの国を紋切り型で判断するのは危険だね、と語り合いました。年齢には関係なく、自分の知らない世界を教えてくれる人としてつき合った結果だと思います。

●弱いところも見せ合って、まったく違う価値観を知るきっかけに

フランス2

親世代の大切なフランス人の友達がもう1人います。彼女は今で言うバリキャリのシングルマザー。知り合った当時、母親業に専念していた私と彼女は、境遇は違っても、対等にいろんな話ができました。
彼女は自分の結婚生活のいたらなかったこと、成人した子どもの教育について後悔していることなど話してくれました。彼女にアドバイスできる経験はなかったのですが、私と同世代の息子さんの気持ちを「自分なら」と想像して話しました。まったく違う世代だからこその、新しい視点を彼女は楽しんでいる様子でした。
そんな話をしないときは、一緒にショッピングをしたり、ランチに行く普通の女友達です。好きな店の趣味がお互い合うのです。