2050年のカーボンニュートラル実現に向けて、住宅の高断熱化は一大テーマになっています。その主役は、熱の欠損量を左右する玄関と窓。また、コロナ禍でスマートキーなとにも注目が集まっています。トレンドと具体的な人気商品を、各メーカーの担当者に聞きました。

施工期間1日の「ノバリス玄関ドア」
施工期間1日の「ノバリス玄関ドア」。タッチ錠の搭載もできる(三協アルミ)
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Q1.最近のトレンド、ユーザーの購買傾向は?

A.住宅の省エネ化への関心はさらに高まる。デジタルデバイスの活用も求められている

2022年、住宅性能表示制度の断熱等性能等級において、上位等級が段階的に設定されます。住宅の省エネ化への関心はさらに高まっていて、「業界としては、カーボンニュートラル推進に向けた高断熱化がトレンド」(三協アルミ)になっているそう。

同時に「省エネ性能と併せて利便性の高い機能へのニーズも高く、デジタルデバイスの活用や住宅のIoT化が浸透していくなか、それに対応した商品が求められている」(YKK AP)という流れも。

「新型コロナウイルス感染症の流行で、ニューノーマル、おうち時間の充実をキーワードとした建材や間取りへの変化」(三協アルミ)もあって、付加価値の高いアイテムに一層の注目が集まりそうです。

 

Q2.人気のアイテムやサービスは?

A.トリプルガラス樹脂窓、スマートドアが人気。短期間でできるリフォームにも注目集まる

人気を集めているアイテムに共通するのも、やはり省エネ性能と利便性。YKK APでは省エネ性能の高い樹脂窓の販売が好調で、トリプルガラス樹脂窓「APW430」は前年比約3割増。また、玄関ドアでは「電気錠仕様(スマートドア)が人気で、2021年秋には顔認証キーを搭載した『新スマートドア』が登場している」(YKK AP)とのことでした。

一方、三協アルミで人気を集めるのが、リフォーム商品「ノバリス玄関ドア」。「既設の枠を残して新しいドアを設置できる『カバー工法』で、大がかりな工事をしなくても短期間で玄関を一新できる」(三協アルミ)のが最大の特徴。より快適な家を求める人が増え、気軽なリフォーム需要が伸びているようです。

 

スマートコントロールキー

●電気錠の機能がドアハンドルに一体化された「スマートコントロールキー」(YKK AP)

 

Q3.SDGsを意識したアイテムは?

A.高断熱性能によるエネルギー使用量削減に加え、防災、健康を意識した商品が登場

脱炭素社会に向け、住宅・建築物における省エネ対策が政策として進められるなか、各社、SDGsを念頭においたアイテムをラインナップ。

三協アルミのアルミ樹脂複合サッシ「ALGEO(アルジオ)」は「高断熱性能によるエネルギー使用量削減に加え、高い耐風圧・水密性能を備え、増加する災害へも配慮」。YKK APも樹脂窓を筆頭に、住宅の省エネ性能向上に寄与するアイテムが主軸に。省エネだけでなく「断熱性能の高い温熱環境が整った住まいでの暮らしは健康にも好影響が出るという報告がある」(YKK AP)そうで、この分野の拡大はさらに続きそう。

 

アルミ樹脂複合サッシ「ALGEO」

●掃除のしやすさも人気のアルミ樹脂複合サッシ「ALGEO」(三協アルミ)