新築やリフォームで、理想のキッチンを実現してみませんか。今回はその手本となる、実力派のオリジナルキッチン3例+システムキッチン1例を紹介。数多くのキッチンを取材してきた編集部が振り返り、収納や作業動線がすぐれたものをピックアップしてみました。
すべての画像を見る(全18枚)Case1.L字型にテーブルを組み込んだ、作業効率に配慮したキッチン
Jさんの家 京都府
設計/ALTS DESIGN OFFICE(アルツデザインオフィス) 撮影/川隅知明
「食事をつくる時間、食べる時間をいかに心地よく過ごすか」を、大切に考えたJさんがたどりついたのは、L字型のキッチンにテーブルを組み合わせたオリジナル。
通常のL字型キッチンでは、くぼんだ内側に立って作業をしますが、このキッチンでは、くぼみ部分に背の高いカウンターテーブルが組み込まれています。台所仕事をするのは、キッチンの外側から。
キッチン本体の一辺にシンク、もう一辺にガスコンロを設けてあり、ステンレスのワークトップでつなぐレイアウト。住まい手が絶対入れたかった、食洗器や大型のオーブンレンジもビルトイン。
「好みのものを自由にレイアウトできるので、必要なものは手の届きやすい場所にあります。だから、調理中の動きもスムーズでラク」(Jさん)。
調理器具もハンギングするなど、見せる収納のお手本のようなレイアウトで、美しさと使いやすさを両立しました。
頻繁に使う調理器具は、見た目がきれいで使いやすいハンギング収納で。窓側にはポールを据えつけ、換気扇フードには磁石つきのフックをつけ、キッチンツールをつり下げています。
窓下カウンターは小さなキッチンガーデンに。ハーブなどを栽培。
Case2.横並びのストレート動線で、料理も配膳もあと片づけもスムーズに
Sさんの家 宮崎県
設計/COGITE 撮影/中村風詩人
「娘たちと一緒に料理できて、外の景色も楽しめるキッチンが理想」という、妻の希望が実現した家。LDKは2階に設けて、約3mの天井高がある大空間とし、大きな窓から光がたっぷり入ります。
LDKの中央には、長さ1.8mのダイニングテーブルにアイランドキッチンを組み合わせたテーブルキッチンを造作。全長は4.6m強あります。タモ材の天板は、汚れてもふくだけですむようにウレタン塗装に。食器や鍋などは、すべて扉つきの収納に隠されています。電化製品は、壁をくぼませたスペースに収めてすっきりさせました。
シンクはダイニングテーブルの近くに設置したため、水はねに配慮しつつ、大鍋などもサッと洗える深めの大型サイズに。
生活感が出にくい隠す収納に徹し、食器、鍋などの調理道具、ストック食材などはカウンター下に収納しています。
作業スペースを広くとったので、娘たちも率先してお手伝いするように。オープンタイプは、子どもたちへの声がけもスムーズ。キッチンは、料理する妻の周りに娘たちが集い、手伝い、味見する、ほほえましい場となりました。
床を1段下げて、キッチンに立っているときも、家族と目線が合いやすい工夫を。
油はねの対策として、IH調理器を採用。フラットなので掃除もラクです。