Case3.ハーフオープンスタイルで、しまい込まずに使える家事ラクキッチン
高木さんの家 神奈川県
設計/トトモニ 撮影/滝浦 哲
周囲の自然を生かし、森にたたずむようなキッチンを希望した妻。シンク前の窓からは庭が望め、「ここに立っている時間が好きです」と語ります。
キッチンは、ナラ突板の面材とステンレスの天板で構成された、L字型のオリジナル。水切りプレートつきの広いシンクは、夫が釣ってきた魚をさばくときにも大活躍します。
引き出しの取っ手は、「繊細に見えるけど、丈夫で使いやすいものを」という妻のこだわり。コンロ回りの壁にはシャモットタイルを採用しました。「油を吸い込んでも、べたつかずサラッとしているので気に入っています。掃除もラク」と妻。
キッチンのプランは、斜めの壁や床の段差によって、ダイニングやリビングと適度に仕切られたハーフオープンスタイル。内部が丸見えにならないように、配慮されています。この間取りを生かし、調理器具などは使い勝手を重視して「しまわない」収納を多用。
出し入れしやすく、調理や片づけがてきぱきこなせるキッチンになりました。
調理家電を出したままにしておけるコーナー。外からは見えないプランに。
磁石を使って製作した、木製マグネット式包丁ホルダー。サッと道具が使えて便利です。
調理器具はS字フックでつるして収納しています。
シンク上のつり戸棚は、ザルなどが乾かなくてもしまえるように、水切りつきにしました。
Case4.入れるものを想定し、緻密に考えた、お気に入りのシステムキッチン
Fさんの家 宮崎県
設計/COGITE 撮影/中村風詩人
築30年以上の古家を購入し、フルリノベーションした家。デッキテラスにつながる気持ちのいいLDKが実現しました。
キッチンはリビングダイニングが見渡せるように対面式に。「キッチンを選ぶためにさまざまなメーカーのショールームを回りましたが、収納の位置や数、デザインとこまやかな仕様が気に入ったので」と、妻はパナソニックのシステムキッチンを選びました。
背面収納については入れるものの寸法をすべて測り、なにをどこに入れるか完全にシミュレーションして寸法を出しました。ロボット掃除機が使えるように床はフラットに。
おかげで、キッチンはすっきりと美しい眺め。家族も気持ちよく団らんの時間を過ごせます。「キッチンからも、家族みんなの様子がわかってうれしいですね」と妻。
デッキテラスに近いキッチンなので、バーベキューなどの準備や片づけもしやすい動線になっています。
食器類は背面カウンターの引き出しに収納。妻のアイデアで、大きなお皿などは出し入れしやすいように、市販のケースで仕切って縦にしまっています。
※情報は「住まいの設計2022年4月号」取材時のものです