2階LDKの間取りが人気です。その理由は、周りに家が立て込んでいても、光や風が入り、眺めもいい快適な空間が生まれるから。気持ちのいい場所だから、家族が自然と集まり、会話も弾みます。今回はそんな2階LDKに、全長4.6mのテーブルキッチンをつくったという一戸建てを紹介。料理も食事も最高に楽しい、という一家にオジャマしてみました。
すべての画像を見る(全28枚)キッチンメインのLDKは、日当たりのよい2階に配置
齊藤さんの家 宮崎県 家族構成/夫36歳 妻37歳 長女小学生 次女小学生 三女幼稚園生
設計/ COGITE
斎藤さんの家のこだわりポイント
- 1.経年変化を楽しめる、レッドシダーの外壁
- 2.LDKは、日当たりのよい2階に配置
- 3.ダイニングテーブルと、一体の造作キッチン
- 4.1階は、趣味の道具の収納スペースに
南側にある実家とのほどよい距離感や、日照の確保を考慮して計画された齊藤さんの住まい。
「いつでも家族と会話ができて、見守れるキッチンにしたい」という妻の希望が、家づくりの重要なテーマ。夫の趣味道具などを収める大容量の収納スペースも必須条件でした。
そこで、天井高を考慮せずともOKな収納スペースは1階に配置。LDKは2階に設け、約3mの天井高がある大空間に。LDK中央にはダイニングテーブルと一体のアイランドキッチンを設置。「娘たちと一緒に、料理やおしゃべりを楽しめる、キッチンにしたかったんです」という、妻のこだわりを実現しました。
食器や鍋などはすべて隠す収納に、電化製品は壁のくぼみスペースに収めてすっきりとさせました。さらに、実家と面する南側は、横に連続する窓を設置。光と風、屋外の景色を楽しめるように配慮しています。
料理中の妻の周りに子どもたちが集い、手伝い、味見して…。キッチンから生まれるほほえましい風景が、日常に明るさをもたらし、家族の幸せのワンシーンを積み重ねているようです。
会話が弾むアイランドキッチンをつくる10のポイント
ダイニングテーブルと一体化させた造作のオープンキッチンは、2階LDKのメインとなる場。料理をしながら会話を楽しみ、家族時間を満喫できるようにこだわりました。
POINT 1 テーブルと一体のオリジナルキッチン
1.8mのテーブル部分を含め、全長4.6m強の造作のテーブルキッチン。妻お気に入りのタモ材天板は、汚れてもふき掃除だけのお手入れですむように、ウレタン塗装を施しています。
POINT 2 床を1段下げて、家族と目線を合わせる
キッチンに立ったときにテーブル側の家族と目線が合うようにと、キッチン部分の床を1段下げました。「ちょうどよい視線の高さなので、会話も自然と弾みます」と妻。
POINT 3 油跳ねが少ないIHにして、家事ストレス軽減
オープンキッチンで気になる、油跳ね。その対策として、油跳ねの少ないIH調理器を採用して、家事ストレスを軽減しました。フラットなので掃除もラクです。
POINT 4 テーブル横にシンクで、あと片づけをラクに
シンクと IHの設置位置は、検討を重ねた末、「食後の片づけを考えると、食器をすぐシンクに下げられる動線がいちばん便利かなと思い、シンクはキッチン中央に設けました」と妻。
POINT 5 隠す収納に徹して、すっきりキッチンに
住まいの中でも生活感が出やすいキッチンは、隠す収納が頼もしい存在。齊藤邸でも、食器、鍋などの調理道具、ストック食材などすべてを隠すことで、すっきりとしたキッチンに。
POINT 6 照明は、あこがれのルイスポールセンで統一
テーブルキッチンに添えたのは、ルイスポールセンのペンダントライト。ダイニング部分には美しいシェードの「PH5」、キッチン部分には「VL45ラジオハウス」をチョイスしました。
POINT 7 シンクは大きめサイズで、大鍋もラクに洗える
シンクはダイニングテーブル横に設置したため、水跳ねに配慮しつつ、大鍋やフライパンもサッと洗える深め&ビッグサイズ。天板の美しい木口を見せた意匠的なあしらいに。
POINT 8 電化製品は、くぼみスペースにすっぽり収納
冷蔵庫や電子レンジは、壁の一部にくぼみをつくり収納。「電化製品をフラットに収めることで主張させず、ダイニング側のスペース確保を考えました」と設計した蒲牟田健作さん。
POINT 9 正面に窓を設け、のびやかな雰囲気に
「料理をしながら空を眺めたり、季節ごとの光を感じたりしたい」という妻の希望で、キッチンは南側の横長窓と対面するように配置。「明るい環境なので、毎日の料理が楽しいです」。
POINT 10 食洗器を完備して、家事の時短を実現
家事と育児で日々忙しい妻にとって、家事の時短は大きなポイントのひとつ。調理中や食後の片づけをサポートしてくれる食洗機を導入し、毎日のストレスを軽減しました。
空間ごとにテーマカラーを設け、遊び心をプラス
1階廊下から玄関方向への眺め。玄関はプラスターボードの壁、コンクリートの床を採用し、いずれもグレーを基調にした無機質な仕上げですが、上階のテラスから降り注ぐ光に包まれて、やわらかな雰囲気を醸し出しています。
玄関ホール正面の壁は、夫妻こだわりのターコイズブルーに塗装。「帰宅して元気になれるこの色と、廊下との仕切りのアーチ型がお気に入りです」。
長女と次女のピアノ練習スペースを、玄関土間の一角に設置。吹き抜けなので、上階の両親とコミュニケーションも図れます。
子ども部屋の壁は、各自の好みの色をアクセントに採用。長女は白をテーマカラーに。「この家で初めて自分専用の机を買ってもらえたの」と満面の笑みを見せる長女。マイデスクは、勉強や読書に欠かせない頼もしい相棒となっています。
敷地の南側に実家がある齊藤邸は、2階にあるすべての空間に、南側に向けて窓を設置。寝室にも、実家との距離感を程よく確保しながら、光と風を呼び込む窓をつくりました。
次女の部屋は、紫色がテーマカラー。窓辺に置いたベッドは、読書を楽しむソファ代わりとしても使っています。
寝室と子ども部屋の間に、家族共用のウォークインクローゼットを設置。必要十分な容量があるため、各個室に収納家具は現在不要です。