●じつは「ずっとついてない」!?

玉山鉄二さん3
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劇中で「今はちょっと、ついてないだけ。そのうちいい運がやってくるよ」そんなふうに言いながら過ごす立花たち。確かに、「ちょっとついてないな」と思うことはだれにでもあります。

玉山さんにもついていないな、と思うエピソードについて聞いてみると、「僕はずっとついてないと思う」という意外なご回答が…!

「たとえば、ECサイトでものを頼むと、サイズや色が違ったり、まったく違うものが来たり、ほつれていたり…。そこを結構ひいちゃうんですよね。ほかにも飛行機に乗っても、僕が座っている座席に他のお客さんが来て、確認したら2人とも同じ番号だったり…」

そう苦笑いを浮かべる玉山さん。とくにショックだったのが、旅先でのある出来事でした。

「これは旅行で福岡に行ったときのことなんですけど、絶対に行きたいと思っていたお蕎麦屋さんがあって、最終日の飛行機に乗る前に行ったんですよ。そのお店の『天とじ丼』が、写真もめちゃくちゃおいしそうだし、『絶対にこれを食べて帰る』と思っていたのですが、来た商品を見たら普通の天丼だったんです…」

なんと焦っていて「天とじ丼」と頼みたいところ、「天丼」と言ってしまっていたのだそう。

「丼のフタを開けたときのショックが本当にひどくて。間違えましたと言えるタイプでもないし、もうひとつ天とじ丼を頼んだら天丼は食べられないし…ほかのお客さんはみんな天とじ丼を頼んでいて、それを見たらみちゃくちゃうまそうなんですよ。本当に悔しくてしばらく引きずりましたね」

●リスタートのきっかけは日常に転がっている

玉山鉄二さん4

 

立花も玉山さんも現在40代に差し掛かったばかり。40代の理想の人間像は「仕事以外のやりたいことや趣味があって、自分の時間もちゃんとあって…という生活ですね」と教えてくれた玉山さん。

若いときの自分と違うな、と思うことについて聞くと、「いい意味でがんばらなくなった」と言い、こう続けます。

「こうじゃなきゃいけない、みたいな固定概念がなくなりましたね。若いときって、『こうでありたい』、『ああでありたい』とかあるけど、いざ実行するとどこかで辻褄が合わなかったり。それで立ち止まったり、悩んだり、なにかするのがちょっとめんどくさいなと思った時期もありました。今はこういうふうに見せようという考えはなくなりましたね」

そんな玉山さんが、ESSEの読者に伝えたいことは…。

「女性の方は男性に比べると、多分、結婚や出産もそうですが、リスタートの数が多いと思います。そういった部分で、もう1回スイッチを入れ直すことがすごく苦痛だったり、しんどかったり、という方は結構いらっしゃると思うんです。でも、ちょっとでもやってみようかな、とか、アクティブなスイッチが入るきっかけって、普段の生活の中に転がっていて、それを見逃すか見逃さないか、そこが大事だと僕は感じているんです。結婚したからこう、出産したからこう、子どもがある程度大きくなったからこう、というよりは、一度自分と向き合う時間を作って、どうありたいとか、昔の自分はどうありたかったのかとか見つめ直す作業も必要なんじゃないかな、と思います。そのきっかけの1つにこの作品がなれると幸いです」