生理ではないのに、排便後に出血が…。まさか、痔? それともなにかの病気? そうなると不安にありますよね。そこで、人に相談しづらい悩みを、専門家である肛門科医の佐々木みのり先生に詳しく伺いました。

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もしかして、痔…?(※写真はイメージです)
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<排便のあと、ふいた紙に血が…>

排便のあとのペーパーに血がついていることがあります。もしかして痔…。病院へ行くべきでしょうか? 自分でできる対策はありますか?(早苗ママさん・41歳・神奈川県)

●まずは病院で検査を。意外に多い「出残り便秘」にも気を配って

排便後に出血があったら、肛門科もしくは消化器内科を受診しましょう。というのも、がんなどの可能性もあるから。とくに今まで一度も大腸の検査をしたことがない人は、受診をおすすめします。とはいっても、9割ぐらいの人は「痔」の可能性が高いです。
まずは肛門の皮膚を傷め、出血の原因になる、排便後の温水洗浄便座での洗いすぎや、お尻のふきすぎに気をつけて。とくにお尻を3回以上ふく人は要注意。便が全部出きらずに肛門出口付近に残っている可能性があるんです。その状態を私は「出残り便秘」と呼んでいます。肛門の悩みで来院される患者さんには、この「出残り便秘」が本当に多いですね。

●「出残り便秘」の解消ポーズ

イラストトイレのポーズ

肛門出口に残った便は次第にかたくなります。かたい便は次の排便時に、肛門に切り傷をつくります。これが切れ痔です。そこに便がつき、傷が炎症を起こすと、やがて「見張りイボ」や「肛門ポリープ」といった突起物に進行することも。
この悪循環を解消するには、大元の「出残り便」を出すことです。そもそも「出残り便秘」になるきっかけは、便意を我慢すること。我慢する状態に肛門が慣れてしまうと、「排便反射(便意)」が起きづらくなり、便も出にくくなります。だから、まずは少しでも便意を感じたらすぐにトイレに行くようにして。そして便が出やすいポーズをとってみましょう(上図参照)。万歳をしたり、横に手を伸ばして壁を押すと出やすいという人も。「出残り便秘」を解消するだけで、痔が改善する人も多いですよ。

 

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