イラストレーターでエッセイストの星田つまみ(@hoshi.da)さんが描くインスタ漫画が大人気です。星田さんは、8歳の兄・にぃくんと2歳になる弟・おとくんという元気な男の子兄弟のママ。漫画では、育児に奮闘中する様子がコミカルに描かれています。見る人をホッコリ癒してくれると評判の作品をご紹介します。
こんなハズじゃなかった!憧れの京町屋で子育てしてみたら…
この物語は、10年ほど前の当時の出来事を振り返る形で始まります。
すべての画像を見る(全13枚)ご結婚されてすぐの頃、憧れていた京町家での新生活をはじめた星田さん。京町家とは、昭和前半以前に建てられた京都の古い木造住宅のこと。
積極的なご近所づき合いをしてなかった星田さんは、子どもが誕生すると、生活音が気になる木造の建物での生活に、徐々に追い詰められていくことになってしまいます。
●泣き叫ぶ赤ちゃん。産後のもろいメンタル。孤独な育児
泣き止まない子どもを必死であやしながら、窓を閉めようとすると、近所から「うるさい!!」という声が聞こえたそう。ご主人も仕事で忙しく、自分のメンタルもぼろぼろに。ワンオペ状態の育児をするなかで、年代や職業が異なる隣人たちとの生活時間のギャップが大きなストレスになっていきました。
●回覧板を届けに来た隣人にイベンドに誘われて‥
ついには産後うつ寸前の状態にまで行き詰ってしまった星田さんに転機が訪れたのは、京町屋の「地蔵盆」というイベントのお誘い。回覧板を届けてくれた隣人に誘われて、赤ちゃんと一緒に顔を出してみることにしたのです。
「地蔵盆」とは近畿地方によく残る地蔵菩薩の縁日行事で、地蔵菩薩が守護する子どものお祭りでもあるそう。星田さんが住む町内でも子どもを集めてゲームをしたりお菓子を配ったりしていました。それまでは地域のイベントにも参加したことがなかった星田さんですが、勇気を出して赤ちゃんと一緒に一歩を踏み出しました。
しかし、ご近所とはいえ、世代も違う初対面の人ばかりの状況は決して居心地のいいものではありませんでした。悪気はないと思いつつも、ぶっきらぼうな口調のお年寄りとのコミュニケーションには、戸惑いも感じたそう。
●「お母はんとはサイナラ」赤ちゃんが連れ去られた!
なにか手伝わねばと思っていた矢先、初対面の野崎さん(仮名)というおばあさんに「こん子はあたしら年寄りが借りとくし、あんた家帰りぃ」と言われてしまいます。「借りとくってどういうこと?」と驚く星田さんをよそに、その野崎さんは星田さんの赤ちゃんとお散歩へ行くと言って連れ去ってしまいました。これは焦りますよね。
頼みのお隣さんには「私も見とくし大丈夫」とか「年寄りの頼みは聞いといたらええ」と言われ、なかば強引に家に帰されてしまった星田さん。不安と怒りがこみ上げる一方で、ご近所トラブルを大事にしたくないという気持ちのせめぎ合い。一人帰された自宅でモヤモヤ悩んでいると、玄関のチャイムが鳴りました。