ミニマリストで整理収納アドバイザーのおふみさんが、シンプルに心地よく暮らすコツをご提案。今回は、ESSEonline読者にも好きな人が多い「食器」について。無限に増え続ける器を、小さな収納ケースに入るくらいまで減らすことができたおふみさんに、器を厳選するコツや、増やさないためのコツについて伺いました。

◆前回の記事はこちら!

クローゼット収納がすっきりするコツ。冬服は12着で着回せる<おふみの暮らし絵日記>

器を増やさないために、「買わなければ」という意識を手放す

食器の収納ってどうしていますか?

わが家では、かつては大きな食器棚から溢れるほど器が増え続けるのが悩みでしたが、「あること」をやめたことで、食器棚を手放せるほどになりました。

 

●「食器がたりない」という飢餓感から、行く先々で買っていた日々

 

78㎡の二階建て一軒家の借家に二人で住んでいた頃のこと、ちょっとアンティークな雰囲気の大きな食器棚が備えつけられていました。観音開きで高さ180cmという大きめサイズで、これ幸いとどんどん食器を増やしていきました。

 

一人暮らしだったところから引っ越して二人暮らしを開始したタイミングだったので、これまであり合わせで使っていた100均のお皿などを見直し、徐々にお気に入りのものを増やしていこうと意気揚々としていたのです。

 

この気持ちが盛り上がりすぎて、行く先々で食器を買うように。
どこかの街へ旅をすれば、たいていその地に根づいた民藝があり、いろんな窯元の器が売っています。
飛び鉋の生み出す模様に目を奪われた小鹿田焼の大皿、おもしろい絵付けの器、宇宙みたいな美しい釉薬のかけられた出西窯の鉢、かわいい模様のやちむんの器…地元では売っていない特色ある器に惹かれて、訪れる度に器やカトラリーなどを買っていました。

 

器
旅先で器を買い求めていたら、膨大な数に
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この頃は、「旅行したらその土地の器を自分たちへのお土産として買って帰らなければ」と思い込んですらいました。
お土産がマストになっていたんですね。

 

こんな買い方をしていると、どんどん器が膨れ上がっていき、あんなに大きいと思っていた食器棚からついに溢れ出てしまうほどに。

 

そんな折、器を見直す出来事がありました。
一軒家からの引っ越しです。

当時、年数限定で家賃補助が出ていたのですが、その期間が終わるので引っ越しすることに。
一軒家よりも小さな家に引っ越して家賃を抑えようとしていたのですが、大抵の家には家具は備えつけられていません。
1LDKで日当たりのよいすてきな見晴らしのアパートを見つけて、ここに引っ越そうと決めたものの、食器棚をどうするかという問題に直面しました。

 

もちろん、備えつけの食器棚にはもう頼れません。
新たに食器棚を買うと大きな出費になるので、中に入れていた食器を見直すことにしました。

 

●意識改革で「増える」を防ぐ

 

まず一番に意識改革です。
行く先々で器を買うという習慣を手放すことにしました。
これまで買い集めてきた器でずっと生活できるくらい、いろんな形状の器があります。

 

もう十分たりているのです。
100均のお皿でいろんな料理に合わせてなんとか代用しながら暮らしていた頃の、「もっと必要なお皿を買わなければ」という飢餓感だけが残っていたのですが、その状態はとっくに脱していることに気づきました。

 

そして、「その土地でしか出合えない器を買わなければ」という思い込みを、がんばって手放しました。
街を訪れた記念にお土産を買って帰る必要はないし、そこでの体験こそがお土産であるというふうに考え方をシフトしたのです。

 

そうしてとうとう、毎回出かける度に器を買って帰ることはなくなりました。
これで器が増えていくのを防げるようになりました。