住宅地の一角に、小さな森? ちょっと不思議な外見のお宅に、家好き芸人・アンガールズの田中さんが訪問してみました。建物前面がスチールの骨組みと樹木で覆われた家の主は、一級建築士の山田紗子さん。なぜ、このように個性的な建物になったのか? 室内の様子は? 田中さんがレポートします。
すべての画像を見る(全16枚)開放的なのに、森の中にいるような落ち着いた空間
東京・世田谷区の住宅街の三差路の角地に建つ山田紗子(すずこ)さんの家は、外観のインパクトが絶大。縦・横・斜め に一見、無造作に組み上げられたスチールパイプには植物のツルが絡まり、庭に植えられたさまざまな樹木の緑があふれ出しています。
「ワイルドでおもしろいな。あっ、レモンがなってる」などと言いながら、庭の階段を上っていく田中さん。レモンだけでなくジュー ンベリーやオリーブ、ブルーベリー、プルーン、キウイ、ユズなどの果樹が植えられた庭の中央には、大きなサルスベリも。
「百日咲くといわれるだけあって長期間花を楽しめ、冬は落葉して室内に日差しを届けてくれます」(山田さん)
上の写真は、DKのある2階からリビングを見下ろしたところ。庭側はすべて窓に。ピアノが置かれている壁は構造用合板。右手は壁一面の本棚で囲まれた、ダイナミックな空間です。床材はリノリウムで、床暖房を採用しています。
リビングのある1階付近から見上げると、階段もダイナミックです。
【この住まいのデータ】
▼家族構成
- 夫婦(30代) 長男7歳 両親(70代)
▼住宅の面積やコスト
- 敷地面積/109.69㎡(33.24 坪)
延床面積/138.50㎡(41.97坪)
地階/48.02㎡(14.55坪) - 1階/46.75㎡(14.17 坪)
2階/43.73㎡(13.25坪)
敷地の半分を庭にして、プライバシーを守るフィルターに
もともとランドスケープデザインを学んでいた山田さんは、大胆にも約100㎡の敷地の半分を庭に、半分を建物に割り振りました。
「敷地の南西側に庭を配置したのは、樹木で夏場の強い日差しをさえぎるためと、角地で前の道路はけっこう車が多く通るため、 適度に街との距離を確保してプライバシーを守るためのフィルターにしたいと思ったから」(山田さん)
外の階段から見たところ。いろいろなサイズの窓があるのもユニークです。庭と建物の間には壁を設けず、大小さまざまな開口部で内と外とをつなげているのも印象的。
生地を張り替えて使っているという山田さんお気に入りのソファでくつろぐ田中さん。「確かに、 寝心地も最高。天井が木なので落ち着く~」。個性的な照明器具は山田さんによるデザイン。