2018年6月中旬、大阪府北部を震源とした地震が発生しました。最大深度6弱、地震の規模はマグニチュード6.1を記録し、多くの地域に被害をもたらし、今でも復旧作業は続いています。
このような事態への備えは重要なことですが、大きな地震を経験していないと、実際どういう状態になるのか想像できないという方も多いのでは。

「2016年の熊本地震を経験して、被災するということを身をもって知りました」と話してくれたのは整理収納アドバイザーのmujikkoさん。今回は被災時のライフラインの状況について語ってもらいました。

キッチン
電気、水道、ガス…地震の際はライフラインが止まることも想定しましょう
すべての画像を見る(全3枚)

懐中電灯、アルコールスプレーは常備しておきたいアイテム

大きな地震直後は、なによりもまず、身の安全を守ること! これが大事です。身の安全が確認できて少し落ち着いてきたと思ったら、次に待ち受けるのがライフラインが止まっているという現実。
電気、水道、ガス…1つでも欠けると普段の生活は崩れてしまいます。

一般的に復旧のしやすさは電気、水道、ガスの順と言われています。とくにガスはガス漏れのチェックをするので時間がかかります。地域の差はありますが、熊本地震のときも多くはこの順で復旧しました。

震度6強の熊本地震を経験してわかった、ライフラインの重要さと、あって助かったものを紹介したいと思います。

●電気:冷蔵庫は2、3時間大丈夫。懐中電灯は常備して

停電していちばん気になるのが冷蔵庫! とくに夏は食材が傷んでしまいそうで怖いですよね。
ただ、扉を閉めっぱなしなら2、3時間は大丈夫と言われています。慌ててクーラーボックスにつめ替えたりしないほうが賢明ですね。

そうはいっても懐中電灯はマストアイテム! これは地震直後から必要なので、いつでも家族のだれでもすぐ取れる場所に置いておいてください。

●水道:飲み水は普段から備蓄。除菌シートが手洗い代わりになります

水は命に直結するもっとも大事なライフラインです。飲み水は普段から準備しておくとして、問題なのは生活用水。まず洗い物ができないので衛生状態が悪くなります。
熊本地震は春先でしたが、衛生状態はかなり気になりました。これが真夏だったら…食中毒も心配です。

そんなときに重宝したのがアルコールスプレー。排水溝に振りかけるだけで匂いや雑菌が抑えられます。また、手洗い代わりに除菌シートが大活躍しました。
この2つは普段の生活でも便利なので、常備しておくのをおすすめします。

また、水が出たからといって、すぐに飲むのは危険! 水道管の損傷などで水が濁ってることがあるからです。
しばらくは生活用水としてだけ使い、飲むのは安全が確認されてからにしてください。

●ガス:カセットコンロで料理を。お風呂問題は汗ふきシートで我慢!

カセットコンロ

ガスは震度5以上の地震があると自動的に遮断されるようになっているところが多いです。

ただ、自分で復帰させるのはちょっと待って! 万が一ガス漏れがあったら危険です。これは素人判断ではなかなか難しいです。

熊本地震のときは、ガス会社の方が1軒1軒チェックして、安全が確認できた後に復旧しました。1軒ずつなので、復旧まで数週間かかった記憶があります。

ただ、ガスがなくても料理はできます。とくにカセットコンロは便利ですね。今はコンパクトなものが多いので、1つもっておくと安心です。もちろん、ガス漏れの可能性がないところで使用することが前提です。また、電気があるならホットプレートも万能ですよ。

常備しておきたいアイテム

ガスといえばお風呂問題も大きいですね。夏は水でも我慢できますが、冬だとそうもいきません。そこで、水のいらないシャンプーや、汗ふきシートがあると安心です。

ちなみに、地震後でも温泉施設が開いてる場合があります。ただ、大行列覚悟で行くこと! 私も地震後に行きましたが、1時間以上待ちました。

ライフラインの復旧は長期戦も覚悟しないといけません。

普段から代わりになる“第二案”も用意して、シミュレーションしておくことが大事だと思います。1つに頼らず分散しておくことがうまく乗りきるポイントですね。