13歳のときに誘拐された少女が、13年後、突如家族の元に帰ってくる――。話題のクライムサスペンス『13(サーティーン)』に主演する桜庭ななみさんに、ドラマの見どころや、コロナ禍で感じたことをインタビューしました。

桜庭ななみさん
桜庭ななみさんインタビュー

ドラマ『13(サーティーン)』主演・桜庭ななみさんインタビュー

「サスペンスはあまり経験がなかったですし、誘拐されるという役柄は、経験ではなく想像のなかでお芝居をしなければなりませんでした。物語も衝撃的で、自分にとってチャレンジングな作品でした」

こう語る、主人公・相川百合亜を演じる桜庭ななみさん。13歳のときに誘拐された少女が、13年後、突如家族の元に帰ってきたことから始まる衝撃のクライムサスペンスです。イギリスでブームを巻き起こしたBBCのドラマ『サーティーン/13 誘拐事件ファイル』を日本版としてリメイク、原作のもつサスペンス要素そのままに、家族それぞれのストーリーも丁寧に描いていきます。

●子どものような純粋さと大人っぽい色気を表現したい

生還した百合亜を待っていたのは、様変わりした世界。家族はバラバラで、大好きだった彼は別の女性と暮らしていました。当初は、監禁された美少女の被害者として注目されますが、犯人の黒川一樹(藤森慎吾/オリエンタルラジオ)と顔見知りであった可能性が浮上すると一転、男を誘惑した小悪魔とされ、世間からも追及されます。警察での事情聴取でも証言が二転三転し、とらえどころのない百合亜の言動は、周囲の人々を翻弄していきます。

「原作ドラマを観たときに、主人公のアイビー(今作では百合亜)が、子どものような純粋さと大人っぽい色気を併せもっているのがすごく魅力的で、自分が演じるうえでも、その魅力を表現したいと思いました。監禁されているからこそ変に敏感だったり、犯人に自分を信じ込ませようと真剣な表情を見せたり、一方で、家族といるときの少女っぽい話し方など、彼女にはいろいろな面があるので、最後の最後まで本心を隠す百合亜を楽しんでいただきたいと思います」

●“過去は変えられないけれど、未来は変えることができる”というメッセージを感じてほしい

13年の間に、いったい百合亜になにがあったのでしょうか? 捜査を進める刑事たちが百合亜の供述に疑問をもち始めるなか、第二の事件が発生。さらに、百合亜が隠していた真実が明らかになっていき、家族が抱えていた秘密も明かされていきます。

「13年間は、待ち続けた家族にとってもすごく長いし、女性としても13歳から26歳まではもっとも変化する時期。百合亜が絶望のなかでも諦めないでいられたのは、それまでの家族の愛情や彼との思い出、絶対に待っていてくれるという確信があったからだと思います。日本版では、家族のことがより色濃く描かれているので、私自身も家族との関わり方をすごく深く考えながら演じました」

新型コロナウイルス感染症の影響で、収録が約2か月中断したという今作。その間も、常に百合亜と向き合っていたといいます。

「あの2か月で、冷静に百合亜を見つめることができましたし、彼女の強さにも気づきました。最後まで目が離せないサスペンスなので、百合亜を応援していただき、“過去は変えられないけれど、未来は変えることができる”というメッセージを感じていただければうれしいです」

『13(サーティーン)』

毎週土曜 夜11時40分
フジ=東海系 全国ネット放送中

【桜庭ななみさん】

1992年、鹿児島県生まれ。2008年、映画『天国のバス』でデビュー。映画『最後の忠臣蔵』でブルーリボン賞新人賞、日本アカデミー賞新人俳優賞などを受賞。大河ドラマ『西郷どん』、連続テレビ小説『スカーレット』、映画『焼肉ドラゴン』のほか、香港・中国合作映画『マンハント』に出演するなど中国語・韓国語を操る国際派女優としても活躍