おしゃれなインテリア、収納の写真をインスタグラムに投稿するのがブームです。インスタグラマーにとにかく大人気なのが「白いもの」。壁面だけでなく日用品や雑貨なども白一色で統一するのが流行しています。
「白ってじつは上級者向けの色。思わぬトラップもあるんです」
そう注意を促すのは、テレビや雑誌で活躍する整えアドバイザーの阪口ゆうこさん。おしゃれを優先しすぎると、暮らしやすさを犠牲にしてしまうことにもつながると警告します。みんなが選んでいるからと、とりあえず白を選びがちな風潮に待ったをかける、白との正しいつき合い方を教えてもらいました。
おしゃれさんが偏愛する「白」は意外なデメリットも!
シンプルライフやおしゃれな暮らしを目指していたら、身の回りのものの「色」は重要な問題です。
暮らしのおしゃれさんに人気の色はなんといっても白! インスタグラムの投稿件数を調べてみたら「#ホワイト化」が5121件、「#白が好き」に関しては1万3746件!(2018年3月調べ)。これらのハッシュタグをつけて投稿されているのはインテリアや日用品の写真です。色彩の主張を抑えて、「洗剤のボトルやインテリア雑貨なんかも必ず白を選びます!」という人は続々増加中の模様。
白を基調にしたインテリアが人気の理由は、清潔感や明るい印象を与えて、空間も広く見せる効果があるから。上手に取り入れることができれば最強の色なんです。
でも、その「上手に取り入れる」のが難しい色でもあるんですよね。白は「汚してはいけない」緊張感が常にある色。また、多用しすぎると生活感のあるなしをとおりこして、無機質な冷たいイメージになり、逆にリラックスできないというデメリットもあるんです。
身の回りのものすべてを白で統一したい、とこだわりすぎると、白いパッケージじゃないと必要なものも買えなくなってしまいます。味方にすると強いけれど、敵にすると手強い白という色、「とりあえず」で手を出してしまうのは意外に怖い! 私なりの上手につき合うルールをご紹介します。
暮らしのプロが選んだ「白がいい」アイテム3選
もちろんわが家にも、「これは白がいい!」というアイテムはあります。たとえば、下に挙げているアイテムはもう何年も白でそろえたり、リピート購入したりしています。
●(1)食器
すてきな柄のお皿に手を出したこともありますが、柄物はのせるものを意外と選ぶ! どんな料理もそれなりにおいしそうに見せてくれる汎用性は白ならでは。また、マグカップなどは茶渋汚れが目立つからこそ、気になったときにこまめに漂白できます。
●(2)食器洗い用スポンジ
汚れが明確でないと、私みたいなケチんぼ体質はなかなか買い替えずに使い続けてしまいがち。取り替えサインがわかりやすい白に助けてもらっています。定期的に取り替えて、捨てる前には排水口や浴室の掃除に使って、最後のお仕事をしてもらえば、もったいないという気持ちも軽減します。
●(3)カーテン
色や柄があると洗濯のタイミングがわかりづらいので白が定番。汚れが気になってきたら一気に洗濯すれば爽快! 面積の大きいものなので部屋を明るく見せるのにもひと役買っています。
以上、3つのアイテムに共通しているのは、メンテナンスのタイミングをひと目で知りたいものだということ。面倒くさがりの私にとって、「汚れた」というわかりやすい強制力が働かないと、交換や手入れの手間を惜しんでしまいかねません。
白以外の色の方が家事効率がよくなるものも
反対に、白じゃない方がいいものもあります。そんなときに私が選ぶのは黒。わが家の「黒がじゃなきゃ」アイテムの代表はこの3つです。
(1)ラグ
毎日だれかが座ったり寝転んだり、ホコリがつくのは避けられません。白いホコリが目立ってきたら毎日の掃除のサイン。見て見ぬ振りをしようにも黒に白のコントラストは強烈で、いやでも掃除に迫られます。
日々コロコロをかけて、白いホコリが見えなくなったら完了のサイン。黒だと掃除のゴールが明確なのです。
(2)コタツ布団
ラグ同様、手でバサバサと触るので白いホコリが目立ちます。もし白いコタツ布団だったら、蓄積されていくホコリに気づきにくいうえ、なにかこぼしでもしたら洗っても汚れが完璧には落としにくい! ズボラな母には悲惨な末路が見えます。
(3)タオル
わが家はフェイスタオルもバスタオルも黒です。以前は白も使っていました。しかし、タオルは本当に汚れていくのもくすんでいくのも早いです。子どもがうんと小さいときは、タオルが汚れるのが気になって、外で思いっきり遊んできたわが子をふくのもためらうほどでした。
でもそれって本末転倒。タオルは汚れをぬぐうものでもあるのです。まめな煮沸や漂白をすればいいと思っていましたが、なかなかできるものではありませんでした。
白も黒も、どちらも色という特性だけで、このズボラ人間を動かしてアクションを起こさせてくれます。
上手に取り入れれば、どちらも強い味方になる色。「とりあえず白」と思考停止せず、自分の暮らしにはどんな色がふさわしいか考えてみると、おしゃれじゃなくても、もっと快適な生活に気がつけるかもしれません。