定期的に受けたい健康診断。正しい結果を出すためには、注意事項を守って受診したいものです。そこで、意外と知らない「健診前の食事」の正しいとり方について、管理栄養士の亰須薫さんに教えていただきました。

健康診断
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意外と知らない!?健康診断の前日と当日の食事で気をつけたいこと

私はお総菜屋さんをやっている管理栄養士です。それでときどき、お客様から「明日は健診なんだけど、なにを食べればいいかしら?」と聞かれることがあります。

健診前日の食事として、まず気をつけてほしいのは食事時間です。
よく、健診の案内に「前日の21時までに食事を済ませてください。朝食はとらないでください」というような注意書きが書かれていますね。その理由は、多くの検査項目が、空腹時の状態を基準としているからです。
とくに血糖値、中性脂肪などは、食事をとってしまうと数値が上昇してしまい、正確な判断ができず、異常値と判定されてしまうことがあるので要注意です。検査前10時間は食事をせず、空腹状態にしておきましょう。

食事量や内容は、じつはそれほど注意することはありません。暴飲暴食を控えて、普段どおりの食事をとりたいですね。
ただし忘れがちなのが、サプリメントやガムなど。これらもエネルギーがありますので、直前にとるのは控えます。
また、糖分が含まれている飲み物も、検査値に影響します。ノンカロリー、「糖質オフ」はもちろんのこと、「糖質ゼロ」と書いてある飲み物にもわずかに糖質が含まれるので注意が必要です。なお、コーヒーやお茶などカフェインを多く含む飲み物は利尿作用があり、尿酸などの検査結果に影響する場合があるので、たくさん飲むことは控えましょう。

検査項目によっては、水も控える必要がある場合があります。健診の案内が届いたら、注意書きの確認を忘れずに。日頃、薬を飲んでいる場合の注意点も検査項目や健診施設によって違うことがあるのでその都度、確認をしましょう。
大事なのは、わからないことがあったら電話などで確認をすることです。あとから「え~! そうだったの?」となる前に質問してみましょう。たいていの場合、健康診断は年に1度ですから、できるだけ正確に健診で身体の状態を確認しておきたいものです。そして、もし飲食をしてしまった場合は、正直に健診機関のスタッフに申し出ましょう。
最後に、睡眠不足や風邪などの体調不良も、検査結果に影響します。体調を万全にして臨めるようにしましょう。

健診はただ受けるだけでなく、毎年の変化を比べて健康状態を振り返ることが大切です。受診前のコンディションをできるだけ同じにして受けることで、健康維持、健康づくりに役立てていきたいですね。