ツイッターのフォロワー数は1万7000人の『わたくし92歳』(

@Iam90yearsold

)、戦後76年、当時の長崎市で原爆を体験した森田富美子さんは、今日も元気にツイッターでつぶやき、若い人たちと意見交換を続けています。そんな森田さんが思うこととは? お話を伺いました。

森田さん
ツイッターで話題の92歳、森田富美子さん

SNSで「伝えたいこと」を発信する92歳の森田富美子さん。生きる原動力とは?

16歳の若さで被爆。両親と弟たちを一度に失った森田さん。壮絶な戦争経験を乗り越え、現在は東京都内で長女の京子さんとともに、穏やかに暮らしています。
富美子さんの日課は、ニュースや新聞で世の中の動きをチェックすること。バルコニーを何往復も歩いて運動をすること。そしてツイッターで、自らの経験や、政治などの世情について、意見を発信することです。

●若い人たちとのつながりこそ元気の源!

「昨年の長崎原爆犠牲者慰霊平和祈念式典での安倍晋三首相の挨拶に憤慨してから、自分の被爆者としての体験談をツイートするようになったんです。そうしたら新聞社が取材に来てくれて、動画も撮影してもらいました。

その

動画

を短くしたものを、新聞社が動画共有サイト・TicTokにアップしたら、ものすごい数の再生数だったらしくて。10代の若者たちから1000件以上のコメントが入っている、と記者さんからメールでお知らせがありました」

爆心地から10キロ離れた造船所の工場にいた富美子さんは、被爆者ではあるものの、やけどやケガはなし。しかし、一晩かけてたどり着いた我が家は爆心地からわずか200m。黒焦げになった両親と、幼い弟たちを、自らの手で火葬せねばなりませんでした。

その時のことを語る富美子さんの動画に、当時の富美子さんと同じ、16歳の女性たちが、コメントを寄せてくれたのです。

「そのほとんどが、知らなかった。戦争は絶対にいけない。というもの。ああ、若い人たちはしっかりしているなあ、と嬉しくなりました」

そんな若者との言葉のやりとりが、森田さんの元気の源です。

●SNSでの厳しい指摘にも、誹謗中傷や反発はなし?

SNSなどのネット社会では、たびたび『炎上』が話題になります。個人が特定されて嫌がらせを受けたり、自殺においやったり、という嫌な話ばかりがクローズアップされます。
ツイッターでは『わたくし92歳』のアカウントで、ユーモアを交えながら政権批判をすることもある富美子さん。誹謗中傷を受けるようなことはないのでしょうか。

「『政治のことなんか考えずに静かに暮らせ』みたいなことを書かれたことが、3度ほどあっただけ。主義主張が違う人がいるのは当たり前ですしね」
富美子さんは涼しい顔です。

「私は仕事先で母のツイートをチェックしてはヒヤヒヤしてますけどね。誰かを名指ししたりはしていませんが、こちらはユーモアまじりでも、ネトウヨの逆鱗にふれるんじゃないかと」(娘の京子さん)

名指しこそしないものの、「あのばかたれが!」などと書いた時は、
「長崎の同級生が電話で『あんまり過激なことは、書いちゃだめだよ』って。ふたりで大笑いしました。お互い92歳。でも、電話口で声を聞くと、一瞬で10代に戻っちゃうんですよ」

政治を話題にしても、多少の皮肉を言っても、それが誹謗中傷に発展しないのは、富美子さんが語る言葉がすべて、実体験から来ているからでしょう。

「ツイッターでとても気の合う仲良しさんも、数名できました。その中でも特に仲が良い人とは笑いの絵文字などをいれながらやりとりしています。『今日はよく歩いて疲れた』って書いたら『早く寝なさいよ』。それに対して『うるせー!』なんてね(笑)」