今年、ESSEは創刊40周年! それを記念して、ESSEonlineではESSEの歴代編集長にインタビューしました。
第4回目は尾崎真佐子編集長。2018年8月号に編集長に就任し、2021年9月現在も引き続きESSEを率いています。
忙しい中でもていねいに暮らそう、明日もがんばろうと元気が出る雑誌に
尾崎編集長は生活情報誌『サンキュ!』(ベネッセ刊)編集長、レシピサイト『クックパッド』広報部部長、扶桑社書籍ムック編集長などを経て、『ESSE』編集長に就任しました。
尾崎編集長になってすぐ、ESSEは再び誌面を一新。表紙をはじめ、中のページのデザインも変え、若々しいイメージに。
「それまでのESSEは、シンプルで統一感があり、どちらかといえば大人っぽくおしゃれな雰囲気のデザインでした。センスのよさを感じる誌面だったけれど、私は逆ににぎやかで元気のある雑誌にしたかった。特集ごとにデザインのイメージはそれぞれ違っても、いろんな内容が盛りだくさんな感じ。毎日の暮らしに、明るさや楽しさを伝えたいと思って、誌面づくりをしています」
2020年の6月号では、木村拓哉さんが男性として初めて表紙に登場。
「ESSE初! をやりたくて(笑)。男性を表紙にするのはどうだろうと考えたとき、木村拓哉さんしかいない! と思いました。また、これまでのESSEの伝統に縛られず、吉田羊さん、綾瀬はるかさんなど、未婚の方も積極的に登場していただきました。主婦向けというより、男女関わらず、生活している人すべてに向けて発信したい、垣根をつくりたくないという気持ちからです」
●働き方改革にフェミニズムの高まり。「家は女性のもの」が変わった!
現在、ESSE読者の7割は、パートタイムを含めて働く主婦。10数年前とは、割合が逆転しました。
「長年主婦誌に携わっているのですが、主婦のあり方はすごく変わったと思います。20年前、読者のお宅に取材に行ったときに感じたのは、家は女性のものだということ。かわいいカントリー調のカフェカーテンがかかっていたりして、すごくフェミニンなイメージでした」
「ところが、今の読者のお宅は、インテリアも機能的でシンプル。夫婦がともに家事に関わるのが、当たり前の時代になったのを感じます」
2018年に成立し、2019年から一部が施行された「働き方改革関連法案」、また、2017年秋に始まった#MeToo運動を発端にした世界的なフェミニズム運動の高まり、さらには2020年からのコロナ禍でライフスタイルが大きく変わったことも影響しています。
「編集長になったばかりの頃、家事シェアの特集をすると、抵抗感があるという感想も多くありました。夫は仕事が忙しくて家のことどころではないし、私がやった方が早い、家事シェアはかえってプレッシャーに感じるといった声です」
「ところが、ここ数年の間にも状況は変化し、読者のお宅に取材に行くと、夫婦一緒に家事をやっている姿を自然に見るようになりました。コロナ禍で男女ともに家にいることが多くなったことも、大きく影響していると思います」