●忙しい中でもていねいに暮らしたいという気持ちを大事にするのが、ESSEの役割なのではないか

編集長に就任してから、何度もくり返して特集したのは「新・ていねいな暮らし」というテーマです。

雑誌を見る尾崎真佐子編集長
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「当初、私は、家事はやらなくてすむならやりたくないし、ズボラ、時短がいちばんじゃないかと考えていたんです。ところが、企画会議のとき、編集部員たちから“それは違う”と強く反発されました。もちろん、みんなすごく忙しいからラクなのはありがたいけれど、一方で本当はもっとていねいに暮らしたいという思いは大きいのだと」

時短ワザに“プレミアム”
2018年11月号。時短ワザに“プレミアム”と付加価値をつけたことで大ヒット企画に

「日々の食事づくりは時短でも、みそを手づくりしたいと考えたり、家事の合理性を追求しながらも、朝起きて一番にカーテンをあけるとか花を一輪生けるというような小さな習慣が、気分よく暮らすために大きな意味を持っていたり…。そのギャップをくみ取り、忙しい中でもていねいに暮らしたいという気持ちを大事にするのが、ESSEの役割なのではないか、というのです。目からウロコが落ちる思いでした」

2020年11月号「暮らし上手がやめたこと、始めたこと」
2020年11月号「暮らし上手がやめたこと、始めたこと」

「そこから『新・ていねいな暮らし』という特集が生まれ、『収納・インテリアグランプリ』を改め、『暮らしグランプリ』のコンテストをスタートさせて、すごく反響がありました」

●「きれいな母ちゃん」の等身大の女性像が多くの人の共感を呼んでいます

「暮らしグランプリ」のほかに、尾崎編集長がスタートさせたのが「きれいな母ちゃんコンテスト」です。

「『くびれ母ちゃん』とか『ミランダ母ちゃん』とか、“母ちゃん”という呼び名を好んでつける人が増えていました。“ママ”はややきらびやかな感じがあるのに対して、“母ちゃん”はもっとざっくばらんで自然体なイメージです」

2019年10月号「みんなで“キレイな母ちゃん”になろう!」
2019年10月号「みんなで“キレイな母ちゃん”になろう!」

子どもに対して思わず声を荒げてしまったり、片づけたそばからまた散らかっていく部屋にため息をついたり、バタバタと忙しくて必ずしも理想通りにはいかない毎日。
それでも、きれいでいたいと“ながらエクササイズ”をしたり、簡単にできるスキンケアで肌を美しく保ったり、そんな等身大の女性像が多くの人の共感を呼び、人気を集めています。コンテストの入賞者は、読者モデルとして誌面にも頻繁に登場しています。

●料理界の新星・タサン志麻さん

2019年11月号別冊付録
2019年11月号別冊付録「伝説の家政婦志麻さんの冷蔵庫にあるものでだれでもつくれる絶品ごはん」

「料理の特集では、志麻さんが人気があります。シェフであり、家政婦であり、主婦でもある志麻さんの料理は、合理的なアイデアやテクがあり、冷蔵庫にある普通の食材でつくれるんです。それでいて、スペシャルな一品になるところが『新・ていねいな暮らし』というテーマにも結びついて、今もっとも“ESSEにピッタリ”な料理家さんなのではないでしょうか」

「毎回志麻さんの特集はものすごく反響がありますし、特集や付録で掲載したレシピをまとめたレシピ本も発売し、ベストセラーになっています」

●エコバッグにマルチ収納ケース、付録にワクワクしてほしい

かわいくて役立つ生活雑貨が付録につくようになったのも尾崎さんのこだわりです。

「雑誌の編集に戻ったときに衝撃だったのは、書店に行くと付録つき雑誌が主流になっていたこと。やっぱり付録をつけた方が書店で目立つなあ、と単純に思いました。それに、子どもの頃から、『なかよし』や『りぼん』、『学研』の付録で育ったこともあり、雑誌付録にワクワクする世代なので、特装版として年に数回やらせていただくことに」

ミッフィーのマルチ収納ケース
2021年10月号(特装版)の付録・ミッフィーのマルチ収納ケース

「暮らしの中に、ちょっとしたかわいいものがあるとうれしいかな、と思って、人気キャラクターとコラボした生活雑貨をつくっています」

●“明日もがんばろう”、“楽しく暮らそう”と元気になるような雑誌に

つくる側が考えている読者像が、必ずしも正しいとは限らないということを、尾崎編集長は雑誌をつくりながら、常に実感しているそう。

読者投稿コーナー「エッセ女子会」
読者投稿コーナー「エッセ女子会」

「毎回特集を組むたびに読者アンケートをとったり、ときには座談会をしたりして、生の声を聞くように意識しています。アンケートの結果次第では、特集のテーマや方向性を変えることも」

雑誌を前に尾崎真佐子編集長

「人々の気持ちは常に動いているから、そこを敏感にくみ取りながら、読んでくださる方が、“明日もがんばろう”、“楽しく暮らそう”と元気になるような雑誌にしたいと思っています」

●40周年記念・ESSE11月号が発売!

2021年11月号表紙

ESSE40周年記念特別号となる

ESSE11月号

が明日、10月1日発売になります。表紙は木村拓哉さん!
豪華52ページの別冊付録は「山本ゆりさんの手間なしおかず&リュウジさんの缶詰メシ」、特別付録は「カフェレシピカレンダー2022」。
「世界でいちばんおうちが好き」、「食費が減る冷蔵庫&買い物術」「1日1分寝落ちヨガ」など、今日からすぐ役に立つ、元気が出る企画が満載です。ぜひ書店やネット書店でチェックしてみてください!