起き抜けに胸やけがする、ゲップが出る、すっぱいものが込み上げてくる…。そんな症状があったら「逆流性食道炎」の疑いがあります。腸のスペシャリストである松生クリニック院長・松生恒夫先生によると、逆流性食道炎とは、「胃酸を含む胃の内容物が逆流し、食道の粘膜がただれる病気。高齢者に多い疾患でしたが、最近は30~40代の人にも増えています」とのこと。

逆流性食道炎になってしまうと、夜ぐっすり眠れなくなったり、食べることが楽しくなくなったりと、日常生活に支障をきたします。さらに放置すると、潰瘍に進行したり、食道がんのリスクも高まったりすることも。じつは怖い逆流性食道炎について、詳しく伺いました。

「逆流性食道炎」
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若い人にも増えている「逆流性食道炎」ってなに?

若い人に逆流性食道炎が増えている原因は、食生活やそれにともなう便秘にあります。常習性便秘症の患者を調べたところ、約10%に逆流性食道炎がみられたそうです。「野菜やみそ、漬物などの発酵食品の摂取量が減ったことや、薄着などで体が冷えやすくなったことで、便秘体質になる人が急増。それにより、胃が腸からの圧迫を受け、食道への逆流が起きやすくなるんです」。酸化した油を使った揚げ物を多く食べると、食道の下部の筋肉が緊張し、胃酸が増えます。これは脂肪がほかの栄養素に比べ、消化に負担がかかるため。また、香辛料たっぷりの刺激の強い料理や、お酒の飲みすぎにもご注意を。体によさそうなショウガなどの薬味も、過剰に摂取すると負担となるので、ほどほどの量で気をつけて。

手軽にとれる対策として、先生は食生活の改善をすすめています。「納豆や野菜たっぷりのみそ汁を意識的に取りましょう。油は、胃に負担の少ないエクストラバージンオリーブオイルがおすすめです。食事が不規則だと胃酸過多になりがちなので、3度の食事を心がけましょう」。空腹のままお酒を飲まないこと、刺激物など胃への負担がかかるものを避けること、体を冷やさないことも重要です。

思い当たる方は、まずは普段の生活を見直してみて。そして悪化しないうちに早めのケアを! 食事のたびにつらい思いをする、あるいは症状が続くようなら、専門家による受診をしましょう。