シンプルでありながら上質な、グリーンの映える空間。リノベーションでは飽きのこないデザインと暮らしやすい間取りにこだわり、長く住み続けられる空間を希望したというYさん夫妻。寝室や収納をコンパクトにまとめることでLDKに余白が生まれ、夫妻ふたりがゆったりと暮らせる住まいを実現しました。
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理想の広さを実現したLDKLDKとサニタリー、玄関を回遊動線に衣類や小物類はウォークインクローゼットにまとめて収納廊下のゆとりは、心のゆとりサニタリーの床材を廊下とそろえて統一感を間取り(リノベーション前後)理想の広さを実現したLDK
限られたスペースで理想をかなえるために必要なのは、要・不要の見極め。寝室はベッドが入るだけの最小限の広さに。そして、ものを1か所に集約するためにウォークインクローゼットを配置したことで、LDKには思い描いていたゆとりをもたせることができました。
美しい木目に目を奪われるキッチンはオーダーメイド。作業のしやすさや収納力を重視しつつ、リビングの雰囲気になじむよう、背面収納は家具のようなイメージで造作しました。
木のぬくもりあふれる背面収納。リビングとの統一感が生まれ、よりLDKが広く感じられます。
また、カウンター上部のつり戸棚の一部は扉を設けずオープンにすることで、抜け感を演出しました。
【この住まいのデータ】
▼家族構成
50代夫婦
▼リノベを選んだ理由
夫婦ともにスポーツ観戦が好きで、大きなテレビで楽しみたかったから、
▼住宅の面積やコスト
専有面積/53.74㎡ 工事費/1300万円(税・設計料込み)
LDKとサニタリー、玄関を回遊動線に
キッチンにある引き戸を開けると、サニタリーにつながっています。玄関→LDK→サニタリーと回遊しやすい動線にしたことで、各スペースへのアクセスがよくなったほか、実際の面積以上に広く感じられるメリットも。
LDKから寝室、玄関につながる引き戸を開放すると、家じゅうに視線が届きます。また、寝室の壁は一部をあえて斜めにし、リビング側からの圧迫感を軽減させています。
床面積のほとんどをベッドが占めるコンパクトな寝室は、LDK側と廊下の2か所に出入口があります。引き戸を取り入れることで開け閉めをしやすくし、時間帯やシーンによってさまざまな使い分けができるように工夫。開放感と便利な動線を両立させました。
衣類や小物類はウォークインクローゼットにまとめて収納
寝室の隣にはウォークインクローゼットを設置。玄関からすぐアクセスできるので、外出前の準備がスムーズにできるようになりました。
大きなものや衣類だけでなく、アクセサリーなどの小物類も1か所にまとめて収納できます。
廊下のゆとりは、心のゆとり
廊下の幅を拡張したことで、玄関からリビングの窓まで、視線がまっすぐに届くように。また、廊下を広げたことで玄関ホールに開放感をプラス。視覚的、心理的なゆとりも生み出すことができました。
LDKと廊下を仕切る扉は、ガラス入り。ガラス面が大きいので、部屋全体を広く見せることができます。また、建具の多くを引き戸にすることで、スペースを広く使えるうえ、通風時に急にバタンと閉まる心配もありません。
サニタリーの床材を廊下とそろえて統一感を
洗面スペースは背面に壁面収納を造作することも考えましたが、設計担当者の提案で手持ちの家具を置くことにしました。
廊下沿いにあるトイレの建具も引き戸に。廊下からサニタリー、トイレまで、すべて同じにすることで統一感が生まれ、広く感じられる効果も。
部屋の使用目的や使う頻度を考え、必要な広さを見直したことで、「今まで暮らしていたなかで感じていた不便さが解消されました」と夫妻。これからの暮らしを見据えた、長く住み続けられる住まいへと生まれ変わりました。
間取り(リノベーション前後)
リノベーション前
リノベーション後
設計・施工/SHUKEN Re
グループ会社に不動産部門を持ち、リノベ向きの中古物件探しからワンストップでの依頼が可能。多彩なプランナーによる高い提案力にも定評がある。自社施工なので、施工体制やアフターメンテナンスも万全。自社の家具工場もあるため、オリジナリティのある造作家具を比較的リーズナブルに実現できる。
撮影/小川 聡 ※情報は「リライフプラスvol.40」取材時のものです