広々とした玄関土間に足を踏み入れると、目の前に大きなクローゼット。さらにその先は、廊下からリビングまで視界が開け、子どもが元気に走り回っています。Yさん夫妻は、既存の間取り図を見ながら間取りや収納計画などを考え、自分たちが思い描く住まいをリノベーションでかなえました。玄関とLDKを回遊できる間取りが開放的なリノベ後のお宅を見せていただきましょう。
すべての画像を見る(全17枚)オープンキッチンと開放感のあるLDK
キッチンは向きを変えてオープンにすることで、玄関からLDKへの動線に回遊性が生まれました。
開放感のあるオープンキッチンには、効率を重視した収納が充実。背面の収納棚をはじめ、妻が望んでいた家電を置くためのニッチ、キッチンと土間の間には、小物やストック食品がしまえるスペースも設けました。
「モノの場所がすぐに分かるし、料理や片づけの効率も良くなりました」(妻)
キッチンカウンターに飾った絵画もアクセントになっています。
キッチンの先には家電類がぴったりと収まるニッチを造作。蒸気が出る家電用の棚はスライド式にしています。
買い物から帰ったあとも、調理中も、効率よく動けるように、キッチンと土間の間にキッチン専用の収納スペースを設けました。
【この住まいのデータ】
▼家族構成
夫40代 妻30代 長男
▼リノベを選んだ理由
夫が趣味で集めてきた雑貨を飾れるスペースをつくりたい、家事がしやすいように回遊性の高い間取りにしたい、という希望をかなえるため
▼住宅の面積やコスト
専有面積/83.73㎡ 築19年(2000年10月築) 工事費 1540万円(税・設計料込み)
最適な場所にベストな形で収納を
各部屋に分散していた収納を見直し、玄関とLDKに集約。玄関には広い土間をつくり、正面にはクローゼットを造作しました。玄関土間は十分な広さで収納量も抜群。床はモルタル仕上げでDIYスペースとしても活用しています。
壁面は有孔ボードで掛ける収納に。サッと脱ぎ着ができるように長男のアウターなどを掛けています。
DIYで使う工具などを収納している土間の棚は以前から使っていたもの。「この棚がぴったり収まるように設計してもらいました」(夫)。自転車は立て掛けて収納。
大容量のクローゼットは両面から使えるため、「好きな洋服がすぐ手に取れるのがうれしい」(夫)
玄関に入るとすぐに目に入るクローゼットは、廊下側だけに引き戸を取りつけて中が見えないようにしています。
ピクチャーレールを複数設置してディスプレイを楽しむ
リビングの壁面や天井には、複数のピクチャーレールを設置して、スケートボードや絵画など、飾りたいものを自由に飾れるようにしました。
ダイニングの壁面には収納棚を造作し、夫の趣味のスペースに。これまで集めたものがセンスよく飾られています。
廊下にはダイナミックな天井までの本棚を設置
LDKと寝室を結ぶ廊下にはダイナミックな天井までの本棚を設置。夫が収納するものをあらかじめ決めて描いた図をもとに設計しました。
書棚の一部に開口部を設けてボーイズルームの出入り口に。
子どもと遊ぶために、「秘密基地」をイメージしてつくられたボーイズルーム。正面の棚にはおもちゃなどが飾られており、楽しげな雰囲気に。
入浴後の身支度が脱衣室で完結するように、タオルやアンダーウェアなどをすべてここに収納しています。最適な場所にベストな形で収納が取り入れられた住まいには、暮らしがいっそう楽しくなる工夫が散りばめられていました。
間取り(リノベーション前後)
リノベーション前
リノベーション後
設計・施工/空間社
設計・施工、物件探し、希望すれば物件購入前の同行内覧、さらにライフプランニングまで、家づくり全体をサポート。シンプルかつ上品なデザインに定評がある。特に東京の世田谷区、目黒区、渋谷区などの城南エリアを得意とする
撮影/小川 聡 ※情報は「リライフプラス vol.38」掲載時のものです