歳を取っても、老けずに若々しくありたい! 人類共通の願いではありますが、「アンチエイジング」と聞くとハードルが高いと感じる人は多いのでは? 高級な化粧品やトレーニング、エステ通いが必要というイメージがつきまとっていることも事実です。
「老化というと、容貌だけを気にする人も多いですが、じつは、体の内側から進行するもの。いちばんの原因は、体内の細胞が酸化すること。これにより、筋肉や骨が衰えて姿勢が悪くなり、ぐっと老けて見えたり、血管がかたくなって生活習慣病のリスクが高まるんです」
そう警鐘を鳴らすのは、アンチエイジングの専門家の吉川敏一さん。では、どんな対策をすればよいのでしょうか? “老けない人“が続けているという食習慣について詳しく聞きました。

老けない人はやっている!アンチエイジング食習慣

食生活は、アンチエイジングに直結しています。そこで体内の細胞の酸化を防ぐのに有効な、日ごろからできる食習慣を8つ教えてもらいました。

●毎日、みそ汁を飲む

毎日の食事に取り入れたいのがみそ汁。発酵食品は、雑菌の繁殖を抑えるほどの抗酸化力があるため、摂取することで体の免疫力を高めてくれます。そのうえ、みそにはアミノ酸やビタミンなどの栄養も豊富。熟成期間が長いものほど抗酸化力は高いので、長期熟成タイプを選んでください。同じ発酵食品のカツオ節でだしをとると、さらに効果的です。

●おやつはスルメやせんべい

おやつはスルメやせんべい
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中高年になると代謝が下がるので、食べる量は腹八分目に抑えるのが理想です。小腹がすいたときには、スルメやせんべいなど、カロリー少なめでかみごたえのあるものを選びましょう。よくかむことで脳の満腹中枢が刺激され、食欲を抑えられるため、食べすぎと肥満を防ぐことができます。スナック菓子や洋菓子など、高カロリーでかみごたえのないものは避けて。

●お茶をよく飲む

水分摂取は健康のカギ。なかでもおすすめは緑茶。抗酸化作用の強いカテキンやビタミンCが多く含まれ、体内のタンパク質や酵素の働きを活性化してくれます。緑茶をたくさん飲む人は、がんや糖尿病などになるリスクが低いとの研究結果も。カテキンは摂取して24時間以内に体外へ排出されるので、こまめに飲む習慣をつけましょう。

●ゴマや豆は「白」より「黒」を選ぶ

食材を選ぶときは、色の濃さを基準にするのが正解。たとえば豆類に含まれるポリフェノールは、動脈硬化を防ぎ中性脂肪などを排除してくれますが、白い豆より黒豆や金時豆のような濃い色の方が豊富。黒ゴマも、白ゴマには含まれない栄養素、アントシアニンが豊富です。また、緑黄色野菜などに含まれるカロテノイドという色素も抗酸化作用があり、色が濃いほどその力が強くなります。

●ナッツをよく食べる

ナッツをよく食べる

ナッツ類には、大事な種子を守るため、たくさんの抗酸化物質が含まれています。たとえば、アーモンドには抗酸化力の強いオレイン酸やビタミンEが多く、肌のハリやくすみを防ぐ効果が。ナッツ類はカロリーが高いので、食べすぎるのはいけませんが、おやつに数粒食べるだけでも十分効果が期待できます。塩や砂糖で味つけしたものよりも、素焼きのものの方が健康的。

●大豆の加工食品を食べる

年齢とともに、肌のハリや髪の毛のつやが失われていくのは、エストロゲンという女性ホルモンの分泌が減ってしまうため。そこで、積極的に食べたいのが大豆食品です。大豆に含まれるイソフラボンは、エストロゲンとよく似た働きをしてくれます。豆腐や納豆などを食べることで、減少していくエストロゲンの働きをカバー。更年期障害の改善につながったという研究報告もあります。

●スパイスやハーブを料理に使う

スパイスやハーブを料理に使う

腐敗防止のために使用するスパイスやハーブは、強力な抗酸化食品。たとえば、カレーに使われるターメリック(ウコン)は、ポリフェノールの一種であるクルクミンを含み、強い抗酸化作用を備えます。スパイスやハーブのパワーを取り入れるには、インドカレーのようにスパイスをたくさん使った料理や、ハーブで風味づけをした料理などがおすすめ。普段の料理にも意識的に取り入れてください。

●野菜や果物の皮はむかない

野菜や果物の栄養は、じつは皮に多く含まれています。紫外線から身を守るために、リンゴなど果物の皮には強力な抗酸化作用をもつポリフェノールが豊富で、皮ごと食べる方が効果的。またニンジンやゴボウなどの根菜類も、βカロテンやサポニンなどの栄養分が皮に多く含まれるため、皮はむかずに表面の泥をきれいに洗って、歯ごたえや風味も一緒に味わいましょう。