ゲームプログラマーの夫とデザイナーの妻は、結婚当初から住んでいる80㎡のマンションを、テレワークもはかどる職住一体の住まいにリノベ。夫婦ともに自宅兼仕事場で過ごす日が多く、デザインへのこだわりも人一倍。インテリアはクールでスタイリッシュな趣のホテルライクなデザインを実現しました。

クールでスタイリッシュな趣のホテルライクなデザイン
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目次:

鮮やかなガラスモザイクタイルの壁が見せ場のキッチンバスルームはデザインの自由度が高い在来工法で寝室に隣接するバスルームは眺めても美しい空間に猫ドアのおかげで猫たちは室内を自由に動き回れる間取り(リノベーション前後)

鮮やかなガラスモザイクタイルの壁が見せ場のキッチン

キッチンで作業するNさん夫婦

設計はSNSで知り合った建築家の筒井紀博さんに決めていました。以前から作風を気に入っていて、実際に会って話したときも好印象だったといいます。

キッチンは美しいきらめきを放つ鮮やかなガラスモザイクタイルの壁が見せ場。ラメ入りタイルと透明タイルのバランスにこだわり、目地の色にも悩んだという夫は、インテリアの3D空間を自作して検討しました。

ガラスモザイクタイルのアクセントウォールがあるキッチン

夫妻いちばんのお気に入りは光を受けて輝くガラスモザイクタイルのアクセントウォール。イタリア・ビザッツァ社の製品をふんだんに使い、「ここに予算を多めに投入しました」と夫。

最後まで悩んだのがLDKと寝室の床材。フローリングモップで簡単に掃除できる点も気に入り、高級感のある大理石調のDAIKEN「ハピアフロア石目柄(鏡面調仕上げ)」を選びました。

キッチンの大理石調の床と猫

モノトーンを基調に、テーマカラーのブルーをアクセントにしたインテリア。フロア全体は白い大理石調の床材ですが、キッチンの床には下地のレベル調整でグレーのPタイルを貼りました。

部屋全体の気配が感じられるオープンキッチン

部屋全体の気配が感じられるオープンキッチン。黒い人造大理石のワークトップ、グレーと白のキャビネットの対比がクールです。

【この住まいのデータ】

▼家族構成
40代夫婦、猫2匹(ともに11歳)

▼リノベを選んだ理由
結婚当初から住んでいるマンションが二十数年経って部屋も設備も古くなり、新築戸建てへの住み替えを検討したが、予算との折り合いがつかず、愛猫の通院先を変えたくないこともあってリノベーションを選んだ。

▼住宅の面積やコスト
80.41㎡(2LDK+WIC)、工事費 1050万円(税・設計料込み)

バスルームはデザインの自由度が高い在来工法で

在来工法のバスルーム

職住一体の住まいで、妻にとって最高の気分転換はバスタイム。「長風呂でタブレットを持ち込むと2時間くらい出てこないことも。でも、以前のユニットバスはあまりにも味気なくて、時間を無駄にしているような気がしていました」と妻。

マンションのバスルームでも、在来工法ならデザインの自由度はグンと上がります。隣の寝室との境をガラス張りにした開放感と、間接照明の穏やかな光に包まれる気持ちよさは格別。もちろん防水・排水対策は万全です。

妻は以前にも増してバスタイムを楽しんでいるそう。「バスタブにつかりながらタブレットでネットを見たり、音楽を聴いたりしてリラックス。ガラス越しにたたずむ猫を眺められるのも幸せです」(妻)

バスキャンドルやグリーンを飾るガラス棚

妻の要望でバスキャンドルやグリーンを飾るガラス棚を設置。バスルームの内外に視線が抜けて開放感があります。

洗面カウンター

洗面カウンターの収納棚の下には猫のトイレがあるため、猫用ドアもつくりました。

モノトーンのサニタリー

サニタリーもモノトーンのインテリア。くつろぎをもたらすバスルームのLED間接照明の色味には最後までこだわりました。

シャワー水栓

シャワー水栓、タオル掛け兼ドアハンドル、ガラスドアの金物、バスタブはフォンテトレーディング製で揃え、統一感のある空間に。

防水性の高いユニットバスから在来工法の浴室に変更したため、二重の防水層を設けて、万一の場合でも下階に漏水しないよう配慮されています。タイル目地を素早く乾かしてカビを防ぐ浴室暖房乾燥機も設置しました。

寝室に隣接するバスルームは眺めても美しい空間に

寝室から見たバスルーム

寝室の黒いカウンターとバスルームの浴槽のエプロンをひと続きに見せるつくり。

入浴しない時間帯も眺めて美しいと感じられる空間に仕上げ、奥行きと広がりを実現。バスルームからは寝室越しにバルコニーの窓も見えて開放感いっぱい。

リビングから見た寝室

グレーの壁をアクセントにした寝室。日中はLDKの延長として使い、来客時は間仕切りのプリーツスクリーンを下ろします。

窓用スクリーンを下ろした寝室

窓用スクリーンを下ろせば、落ち着きのある寝室に。右は猫用の木登りタワーです。

猫ドアのおかげで猫たちは室内を自由に動き回れる

猫ドアから出てきた猫

アメリカンショートヘアのプーチン(写真)とメインクーンのレダ(隠れて現れず)はともに11歳。

壁に開けた猫ドア

猫たちが室内を自由に動き回れるよう、仕事場と猫用トイレがある寝室・サニタリーに猫ドアを取り付けました。猫同士の仲があまりよくないので、トイレを4か所に設けてストレスなく使えるようにしました。

床の段差は水回りの配管を通すためのもの。夜はほのかな間接照明に彩られます。

玉砂利を敷いたすがすがしい玄関

シューズボックスの下に玉砂利を敷いたすがすがしい玄関。入って左側には夫妻の仕事場があります。正面は猫の脱走防止用の扉。ガラスを通して南側からの光を部屋の奥まで届けています。

LDKの入り口にはアイキャッチとしてグリーンを飾る白い格子棚を

LDKの入り口にはアイキャッチとしてグリーンを飾る白い格子棚をつくりました。

キャットタワーのあるリビング

上下運動を好む猫たちはリビングに置いたキャットタワーを行き来していますが、正面奥の壁際にもぐるりと階段状の収納を造り付けて、動き回れるようにしました。

夫妻のこだわりで猫たちにとっても幸せな住まいになりました。

間取り(リノベーション前後)

リノベーション前の間取図

リノベーション前

リノベーション後の間取図

リノベーション後

※情報は「リライフプラス vol.35」掲載時のものです。
設計/筒井紀博空間工房
撮影/山田耕司