中古マンションのリノベーションで最初につまづくのは物件探し、という人も多いようです。「リノベーション用に何も手を加えていない中古物件を探しているのに、出てくるのはリノベ済み物件ばかり」と感じている人も多いのでは?そこでリノベ済み物件について、ワンストップリノベの実績が豊富なnu(エヌ・ユー)リノベーション・田代雄一さんに聞いてみました。田代さんによれば実際に、リノベ済み物件のほうが圧倒的に多く出回っているといいます。
目次:
Q.1リノベ済み物件の良さとは?Q.2なぜリノベして売られている物件が多いの?Q.3リノベされていない物件はどうすれば見つかる?Q.4キッチン、トイレ、バス…そのまま使うとどれくらいおトク?Q.5いいリノベ済み物件はどう見分ける?Q.6不動産チラシやネットで物件情報を見るときの注意点は?Q.1リノベ済み物件の良さとは?
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リノベ済み物件のなかには、同じ地域のリノベされていない中古物件と価格が変わらないケースもあります。購入後に部分的なリノベをするにしても設備などが生かせれば、その分おトクにリノベが可能です。
リノベ済みならば居住者が退去した後なので、物件の状態が把握しやすいという利点があります。
また、リノベされていない物件にこだわるなど、選択肢を狭めすぎると、いつまでたっても物件が買えなくなる可能性も出てきます。条件は広げておいて、そこから狭めていくほうが見つかりやすいと思います。
A.リノベ済み物件ならおトクにリノベができる可能性アリ!
Q.2なぜリノベして売られている物件が多いの?
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不動産仲介業者は中古物件の売り主に対して、個人で買う人を探すよりも時間がかからず話が早い、不動産会社(買取再販業者など)に売ることを勧めるケースが多いです。
売り主も瑕疵担保免責が付くなどメリットがあるので、金額に問題がなければ折り合いがつきやすいのです。
一方で新築マンションは高騰し、手が届きにくくなっています。そうすると買いやすい価格の中古物件、さらにかっこよくリノベした物件に注目が集まりやすいので、買取再販業者はリノベして販売するのです。
新築ではなく中古のリノベで利益を出そうとする不動産会社も増えていますね。
A.リノベ済みのほうが売り主にも買い主にも利点が多いから
Q.3リノベされていない物件はどうすれば見つかる?
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リノベされていない物件自体が減っているのに、リノベしたいと思っている人は多いので、物件情報が出るとすぐに売れてしまいます。不動産はとにかくスピードが大事なので、ポータルサイトなどでこまめに物件情報をチェックすることをおすすめします。
例えば、仕事が終わった後に情報を見つけたとしたらその場で問い合わせをして、すぐ内見に行ってください。
リノベ前提なら、物件を見つけたらまずはリノベ会社に相談して、内見の手配をしてもらうのがおすすめです。その物件がリノベ向きかどうか、より正確な判断をしてもらえます。
A.情報は毎日チェックして見つけたらスピード重視で行動を!
Q.4キッチン、トイレ、バス…そのまま使うとどれくらいおトク?
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キッチンひとつとっても安ければ30万円~、高いものでは何百万とするので具体的な数字は挙げにくいですが……。
例えば既存のキッチンをそのまま使って、リノベで位置だけ変えたいという場合、その下の給排水管の工事や、下地などもやり直す必要があるので、50万円前後費用がかかるケースもあります。なので位置を変えずにそのまま使うならやはりおトクになりますね。
その分、造作でオリジナル家具や収納をオーダーしたり、フローリングのグレードを上げたり他にコストをかけるのもアリだと思います。
A.位置を動かさないのであれば設備はそのまま使うのがおトク
Q.5いいリノベ済み物件はどう見分ける?
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内見のときは細かいポイントをよく見てください。
例えば、クロスの貼り方は継ぎ目が見えないか、浮いていないか、四隅の仕上がりがきれいか、といった点です。仕上がりが悪いということは、何か他にも見えない部分で手抜きがあるかもしれません。
また、窓や壁・天井等に結露がないか確認するのも重要です。通風などの問題がないのに結露がある場合は、建物の躯体自体に問題があり、リノベをしても改善できない可能性があります。
北向きの寝室などの窓の縁や、部屋の四隅に結露によるカビがないかを調べましょう。
A.仕上げと結露をチェック! 見えない部分が見えてくる
Q.6不動産チラシやネットで物件情報を見るときの注意点は?
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不動産チラシ(マイソク)はそこに書いていないことを読み取るのがポイント。
例えば南向きのバルコニー。普通なら日当たりのよさがアピールポイントなのに、チラシに「日当たり良好」と書かれていないとなると、向かいに大きな建物などがあって日当たりが悪いという可能性も。
図面とアピール点をよく見比べて、違和感がないか確認しましょう。
また、ネットの情報には「ペット可」が実は「不可」だったなど間違いもあるので注意が必要。
物件を360度カメラで見られるサイトは、チラシの断片的な写真からは分からない部分も見ることができるので、有効に活用してください。
A.書いていない情報はなにか? 図面とアピール点を見比べよう
取材協力 nu(エヌ・ユー)リノベーション
チーフアドバイザー 田代雄一さん/この10年で内見した物件数が3000 件超というベテラン
※情報は「リライフプラスvol.31」取材時のものです