賃貸マンションで暮らしていた建築家の堀泰章さん夫妻。これからは庭の植物や季節の移ろいを楽しみたいと一戸建て住宅を購入し、リノベーションしました。場所は住宅地として人気の中央沿線・武蔵野市内の閑静な住宅街。再建築不可や接道状況のためか、ゆったりとした庭が確保されていたにもかかわらず、破格値で手に入れることができました。
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中古住宅をスケルトンにして再構築中古住宅をスケルトンにして再構築
実際にできあがったのは、明るい光を取り込んだ大らかな空間。梁を露出させて開放感を出したり、窓の手前を垂れ壁にしたことで、
ピクチャーウインドウのような仕上がりになっています。
キッチンからリビングを眺めたところ。
オリジナルのキッチンは、リビング側を版築(はんちく)で仕上げるというこだわりよう。版築とは、真砂土(まさど)などの土を版の中に固く突き固める技法のことで、法隆寺などの歴史的建造物でも見ることができます。
「友人たちにも手伝ってもらって作ったキッチンです。版築は質感もいいし、表情も豊か。いい記念になりました」(堀さん)。こんな自然の素材を生かしたキッチンも味わ深くて素敵ですね。
浴室は在来工法で。保温性の高いホーロー浴槽を採用
2階東側にある「女の書斎」と呼ばれる妻の部屋
窓やキッチンに少しでもオリジナルの要素を取り入れれば、こんな豊かな空間にリノベーションできるんです。
みなさんも、家をつくる際にはぜひ参考にしてみてくださいね。
設計/ディンプル建築設計事務所
撮影 川辺明伸
※情報は「住まいの設計2017年1-2月号」取材時のものです