「浪費をしているつもりはないのに、なぜかお金が貯まらない…」というお悩みをもつ人。もしかしたら、“ビンボー習慣”に陥っていませんか?

家計再生コンサルタントで、『ビンボー習慣を見直してお金持ちになる本』の著者・横山光昭さんに、ビンボー習慣の解説と、脱却するための方法を教わりました。

ビンボー習慣
ビンボー習慣が身につくと、心も体も財布も負のスパイラルへ!
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自転車操業の家計は、固定費の見直しでラクに

今回お話を伺ったのは、夫の子会社出向で減収に直面、赤字から脱出できないというESSE読者の齋藤朋美さん(仮名・45歳)。

「カード払いで赤字を補填する自転車操業状態になっています」という齋藤さんの話をよくよく聞くと、本人も気づかないビンボー習慣だらけでした。

【齋藤朋美さん(仮名・神奈川県・45歳)】

夫(49歳)、長男(12歳)の3人家族。夫が子会社へ出向になり、減収に。

<齋藤家の家計表>

夫の月収(手取り) ¥285,000
妻の月収(手取り) ¥70,000
児童手当 ¥10,000
収入合計 ¥365,000

住居費 ¥125,000
食費 ¥50,000
外食費 ¥3,000
電気料金 ¥11,000
ガス料金 ¥5,000
水道料金 ¥6,000
通信費
(固定電話、プロバイダー、ケーブルテレビ) ¥9,000
(携帯電話3台分)¥20,000
日用雑費 ¥13,000
レジャー・交際費 ¥3,000
子ども費 ¥13,000
クルマ費 ¥21,000
こづかい(夫) ¥20,000
    (妻) ¥10,000
生命保険料(夫) ¥20,000
    (妻) ¥7,000 
その他保険 ¥9,000
その他出費 ¥20,000

貯蓄 ¥0
支出合計 ¥365,000
収支 ±¥0
現在の貯蓄 ¥0

●ビンボー習慣1:なんでもカードで買う
→分割金利から脱却するために現金払いを心がけて

なんでもカードで買う

住宅ローンなどの固定費が多く現金が残らないため、クレジットカード払いが常習化している齋藤さん。

つい使いすぎて翌月の支払いが苦しくなり、分割払いにしてしのいでいるものの、利息までついて家計は苦しくなる一方。

現金払い

「ムダを削って手元の現金を増やし、カード利用を徐々に減らしていきましょう。完全に脱却したら、現金か、買い物したらすぐ口座から代金が引き落とされるデビットカードに変更を」と横山さんはアドバイスします。

●ビンボー習慣2:ポイントが大好き
→カードを持ちすぎるのは混乱のもと。ポイントに惑わされず一本化を

近所のスーパーで他社のクレジットカード払いではポイントがつかなくなったため、新たにそのスーパーのカードを作成。
以前からのものと合わせて2枚になり、いくら使ったかわかりにくいうえ、支払日が分かれて家計はますます混乱。

「管理を簡潔にするために、カードは1枚に絞るのが原則。ポイントのおトクよりも、やりくりしやすい体制をつくる方が家計には何十倍もおトクです」(横山さん)

●ビンボー習慣3:でき合いの総菜を買う
→家事に完璧を求めすぎず、常備菜を賢く使って

でき合いの総菜を買う

夫は、いろいろな料理が並ぶ食卓が好き。

「簡単な料理でもいいのですが、食卓には手のこんだ料理を並べたくて…」と齋藤さん。

レシピどおりに材料を買い集めたり、割高な総菜にも頼って出費が増えてしまうそう。

「まさに、完璧主義の人が陥りがちなビンボー習慣! 理想に縛られず、キンピラやおひたしなど簡単につくれて保存もできる常備菜を上手に使い回しましょう。出費は確実に減ります」(横山さん)

●ビンボー習慣4:ものが捨てられない
→すっきり処分すればムダ買い防止に

ものが捨てられない

履けなくなった靴でいっぱいのゲタ箱。「処分しよう」と思いつつ、増え続けているそう。

靴

「ものであふれていると、どこになにがあるかわからず、重複買いの原因に。捨てられないのは、ビンボー習慣の始まりと心得て」(横山さん)

整理して必要なものだけ残せば、その状態をキープするためムダ買いが減る効果も。

●ビンボー習慣5:情報収集が苦手
→おトク、節約につながることは尻込みせずに調べてみる

現在は週末だけのパートの時間を増やそうと思うものの「扶養を外れるとどうなるかわからなくて不安」とそのままに。

「調べればすむことを放置するのもビンボー習慣。年収106万円以上の人は扶養を外れて税金や社会保険料の負担が増えますが、将来年金が増えるメリットも。おおよそ年収160万円以上稼げれば手取り収入も増えます」(横山さん)

●ビンボー習慣6:極端な節約をする
→流動費よりも固定費に目を向けて

極端な節約をする

自分だけ夕食をとらない極端な節約で、昨年は体調を崩してダウン、医療費がかさみました。

食費などの流動費をムリに削ると、ストレスがたまり、リバウンドに。

住居費などの毎月決まっている固定費を見直す方が、労なく支出がカットできます。

「住宅ローンの金利が1.975%と高いので銀行と相談するか借り換えの検討を。仮に金利0.8%なら、月の返済額は9000円減に。また、月2万円の夫の生命保険は割安なかけ捨てなどの保険に見直しても」(横山さん)

ムリをせず、食事は家族で楽しく食べるようにしましょう。

●ビンボー習慣7:子どもにお金をかけすぎる
→家計の優先順位を整理して子どもにもわが家の事情を伝えて

格安スマホ

子どもが中学生になり、同級生も持っているからとスマホを購入。携帯電話代が3台で2万円にも!

「齋藤さんの家計で今まっ先に考えるべきは教育資金。なんでも買い与えるのはNGです。『スマホは○○歳から』『習い事は月○○○○円まで』など方針を決めて、使いすぎを防ぎましょう。格安スマホなら1台2000円程度に抑えられるので、家電量販店などで相談を」(横山さん)

●ビンボー習慣8:場当たり的な行動が多い
→特別支出は毎月取り分けておけば家計への大きなダメージを避けられる

夫の子会社出向で年収が約60万円ダウンしたときに、たりない生活費をカードで補ったのがそもそもの失敗。
車検などの特別支出で赤字が広がり、さらにカードでの補填が増えることに。

「車検などは金額が大きいとはいえ、予想できる支出。ボーナスを取り分けるか月々数千円ずつ袋分け貯金を。『現状の収入の範囲で暮らす』と覚悟を決めて」(横山さん)

ビンボー習慣を見直した結果…貯められない人が節約できるように!

まずは自転車操業を脱却するようアドバイスされた齋藤さん。支出の実態を知るために使ったお金をメモすることに。

「食費は5万円と思っていましたが、毎日買い物に行って1回3000円は使っていて、もっとムダが多いと気づきました」

●買い物のムダを見直し、食費減でやる気倍増!

そこで、買い物は1日おきに変更。また、できるだけ現金払いにしたら、支払い額に敏感になって出費が目に見えてダウンしました。
さらに、総菜をやめ、ポテトサラダをつくりおき。自家製ピクルスをのせてアレンジすれば、連日食卓へ出せます。

「うれしかったのは、今までなにも言わなかった夫が、『ありがとう』『おいしい』と言ってくれるようになったこと。ますますやる気が出ました」

玄関の収納も、不要な靴をまとめて処分してすっきり。住宅ローンや保険の見直しにも、近く着手するつもりだそう。

「ひとりで悩んでいたけど、やっと気持ちがラクになりました。前向きにがんばれそうです」

玄関 

たたきにあふれていた靴もゲタ箱を整理したらすっきり収まるように。レジャー用品や掃除用具も用途ごとにまとめて取り出しやすくなりました。

ポテトサラダ

豪華な小鉢が並ぶ食卓という理想にしばられず、手づくりで工夫。総菜をつくりおきしアレンジして食卓に。

ポイントカード

10年以上前の赤ちゃん用品のポイントカードなど、不要なカードを一気に処分!

カードケース

カードケースもスリムになりました。

ムック『ビンボー習慣を見直してお金持ちになる本』には、ビンボー習慣の詳細と、克服して貯められるようになる方法を掲載しています。ビンボー習慣に陥る前に、ぜひチェックしてみては。