旅行ジャーナリストの小野アムスデン道子さんが世界中を巡って出合った「あの味」を、家でも簡単に再現できるレシピで紹介。
今回は、アメリカの一大イベント「感謝祭」に合わせて、「ターキーの丸焼き」に自宅で挑戦しました。

ターキーの丸焼き
意外と簡単?ターキーの丸焼き
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本場アメリカ流のターキー丸焼き。ポイントはスタッフィング

私は日本とアメリカを行き来する生活を送っています。
アメリカの自宅があるのは、北西部オレゴン州ポートランド。コーヒーやクラフトビールがおいしいことでも有名な街です。

今回は、成田から毎日(2020年3月からは、羽田発に変わってさらに便利に)直行便が出ているデルタ航空を利用しました。エコノミークラスでもウェルカムカクテルとしてベリーニが配られたり、食事は前菜2種、主菜3種から選べるビストロスタイルで出てきたりして、いい気分。
往路は9時間半と、意外と近いんです。

クリスマスツリーと夜景

11月の感謝祭(第4木曜日)、12月のクリスマスと、アメリカのホリデーシーズンに欠かせないのはターキー(七面鳥)の丸焼き。

現地では、大きな七面鳥の丸焼きを数日食べて、さらにスープにまでして楽しみます。

材料

わが家も感謝祭に、ターキーと、つけ合わせに必須のスタッフィング(つめもの)、グレイビーソース、クランベリーソース、マッシュポテトをつくりました。

日本でも、最近は輸入スーパーなどでターキーを見かけるようになりました。4~5人で食べるなら、2~3kgで十分です。

ターキー自体は、ハーブを塗りつけてオーブンで焼き上げるだけですが、ポイントはスタッフィング。味が淡白なので、つけ合わせと一緒に楽しむものなのです。

生ハーブも最近は売られていますし、無理ならドライのスパイスでもOK。ホリデー感抜群の、見映えするターキーの丸焼きができますよ。

●ターキーの丸焼き

野菜など

【材料(4人分)】


・七面鳥 2~3kg
・溶かし無塩バターまたはオリーブオイル 適量(全体に塗りつける用)
・ターキー用ハーブ[ローズマリー タイム セージ パセリ パプリカパウダー 塩 粗挽き黒コショウ ニンニク各大さじ1 砂糖少々]
・リンゴ 1個

【つくり方】

(1) 冷凍の場合は、3日前には冷蔵庫に移して解凍。内臓や首つきの場合は取り除く(内臓をスタッフィングに使う人もいます)。無塩バターを溶かしてターキー用のハーブを混ぜて、しっかりと七面鳥に塗る。

(2) 七面鳥にスタッフィングを入れて焼く形式もありますが、十分火が通らないとおいしくないので、わが家は別にしています。代わりに、香りとジューシーさが出るリンゴをつめました。

(3) オーブンを180℃に余熱する。七面鳥をトレーにのせ、まずアルミホイルをかけて2時間焼く。肉汁がトレーにたまるので、ときどき肉汁を上からかける。串で刺して澄んだ肉汁になれば焼き上がり。アルミホイルを外して、30分ほどさらに焼き、皮をパリッとさせる。

●スタッフィング

【材料(4人分)】


・フランスパン(小さなさいの目切り) 1本
・バター 大さじ4と、トレーに塗る用適量
・タマネギ(フランスパンより小さなさいの目切り) 1個
・パセリ(薄切り) 2本
・ハーブ[ローズマリー小さじ1/2 タイム セージ パプリカパウダー各小さじ1 生パセリ(みじん切り)小さじ1/4]
・ニンニク(みじん切り) 1かけ
・塩 少々
・粗挽き黒コショウ 少々
・コンソメスープ 400ml
・卵(溶き混ぜる) 1個

【つくり方】

(1) フランスパンは、前日にカットしておくか、90℃のオーブンに20分入れて焼き、水分をとる。

(2) 180℃に余熱したオーブンにトレーを入れ、適量のバターを溶かしておく。

(3) 鍋に大さじ4のバターを溶かし、タマネギとセロリがすきとおるまで炒める。焦がさないように注意。ハーブ、ニンニクを加えて香りがでるまで1分ほど炒める。塩、粗挽き黒コショウを加える。

(4) 大きなボウルに、(1)、(3)、コンソメスープ、卵を混ぜ合わせる。塩、コショウで味を調整する。

(5) (2)に(4)を入れて、アルミホイルでカバーをして45分間焼く。ホイルを取ってさらに15~20分、少し表面が茶色になるぐらいに焼き上げる。

●グレイビーソース

鍋にバターを大さじ2入れて溶かし、小麦粉(とろみを出すためなので小さじ1ぐらい適量)をダマにならないようによく欠きまぜる。ターキーを焼き上げてできた肉汁を加えてよく混ぜる。塩・コショウで味を整える。

●クランベリーソース

缶詰も売ってますが、手づくりでも簡単につくれます。冷凍クランベリー対し砂糖半量、水半量を火にかけ、10分ほど混ぜて溶かしながら煮る。赤ワインやメープルシロップを少々たしてもおいしい。

料理

わが家は人数が多いので、あらかじめターキーは切り分けて、スタッフィング、マッシュポテト、サラダを並べてブッフェにしました。

ターキーの丸焼きをつくるのは、作業自体はシンプル。ただ焼き上げるのに時間がかかるので、1日がかりではあります。

家族でわいわい言いながら準備するのもまたホリデーシーズンの楽しみです。