あらゆる人に「完璧にウケる料理」はない

笠原さんいわく『親父から唯一ほめられた「鯛のパイ包み焼き」』
笠原さんいわく、親父から唯一ほめられたという「鯛のパイ包み焼き」
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池田:それでも、せっかくつくった料理を家族が喜んでくれなかったら…。

笠原:「どうしたらよかった?」って聞いてみたらいいと思います。たとえば、「甘すぎた」と言われたら、次は砂糖やみりんを少し減らしてみる。反応を参考にしながら、自分なりの味を見つけていけばいいんです。

池田:自分ではおいしくできたと思っていても、家族の反応はどうか気になることも…。

笠原: 家族がなに食べても大した反応しないと、やってても楽しくないですよね…。お笑いの人が全然笑わない観客にずっとやってるのと一緒でしょ? なにかしら反応は返してほしいよね。

池田:そういえばご著書(『料理人30周年スペシャル! 笠原将弘のプレミアムおかず100』扶桑社刊)で、つくった料理を尊敬するお父様からいつも「まずい」って言われてたって…。

笠原:ありましたね(笑)。

池田:くじけませんでしたか?

笠原:くじけませんでした。たまたま親父の好みに合わなかったんだろうな、くらいにしか思わなかったです。

池田:(強い…!)

笠原:たとえば人気俳優さんでも、「好きな人ランキング」に入る一方で、「苦手な人ランキング」にも入ることがありますよね。10人いれば10人が味の好みも違う。あらゆる人に完璧にウケる料理なんてないんです。だから、自分が食べたいと思うものをつくって、自分で食べて「おいしい!」と思えたら、まずはそれでいい。僕はそう考えています。

池田:食べること自体は、もともとお好きだったんですか?

笠原:まあ、実家が飲食店で親父の料理もおいしかったし、お客さんに出してるようなものを夕食代わりに食ってたからね。お店のお客さんも飲食店やってる人がいっぱいいて…。いつも来てもらって悪いからって、休みの日とか家族で行くわけですよ。子どものころからカウンターで寿司食ったり。ぜいたくにフグ刺しとか、カワハギの刺身とかも食ってましたからね。そのフグとカワハギの微妙な違いもわかってましたし。

池田:自分の味の感覚に自信がもてない人にアドバイスをするとしたら、いろんなお店に行って食べてみるということでしょうか?

笠原:まあ、興味があればね。おいしいと評判の店に食べに行って、自分のつくる料理とどれだけ差があるか見てみるのはいいと思う。