冬になると、なぜか寝つきが悪くなったり、寝起きがスッキリしなかったりと、睡眠の質の低下を感じたことがある人も多いのではないでしょうか? 日本睡眠学会総合専門医でもある精神科医の芦澤裕子先生によると、「とくに更年期世代は寝つきが悪くなる傾向がある」と言います。今回、その原因と、睡眠の質を上げる対策について、詳しく教えてもらいました。
すべての画像を見る(全5枚)冬に睡眠の質が落ちやすくなる理由
冬に睡眠の質が落ちる原因は、秋から冬にかけて日照時間が短くなることで、光刺激(日光浴)によって分泌されるセロトニンが分泌されにくくなることにあります。
その結果、セロトニンを原料とする睡眠ホルモンのメラトニンの生成が減少してしまいます。メラトニンは睡眠の質にかかわるホルモンであり、昼から夜にかけて分泌量が増えていきますが、生成が減少すると、睡眠の質が低下することに。
また、寝つきが悪くなる原因は多岐にわたりますが、大人で、とくに更年期世代で見られやすいこととして、次の点があげられます。
●原因1:ホルモンバランスの乱れ
更年期では、女性ホルモンの変動により自律神経が不安定に。交感神経と副交感神経のきり替えがうまくいかないことで、入眠しにくくなるケースが増えます。
●原因2:ストレスや精神的な不安定
仕事のプレッシャー、家族の問題、生活環境の変化などによる心理的ストレスが高いと、脳や神経が“興奮状態”になり、寝つきが悪くなることも。
とくに動悸・不安・考えがぐるぐる巡る「不眠サイクル」に入りやすくなります。
●原因3:体調の変化・身体の不調
加齢による代謝の低下、冷え、関節や筋肉のこわばり、肩こり、腰痛などがあると、身体の不快感が「眠ろう」とする状態を妨げてしまうので要注意。
●原因4:生活リズムの乱れ
就寝・起床時間が不規則、夜遅くまでスマホやパソコンを使用する、カフェイン・アルコールの過剰摂取といったことが習慣化すると、体内時計が狂い、睡眠に入りづらくなります。
以上の要因が複数重なることで、「布団に入ってもなかなか眠れない」「眠りが浅い」「夜中に何度も目が覚める」といった睡眠トラブルにつながりやすくなるのです。
