「趣味」に没頭する時間も大切にする

一坪ミニ農園
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私の場合、時間を忘れて没頭できるものが仕事ですが、仕事以外にも、心が動く時間を意識的につくるようになりました。

本を読む時間が増えたり、映画や美術にたくさん触れたり。そうした時間は、巡り巡って、また仕事にもつながっていきます。

そんな流れのなかで、もうひとつ、始めたことがあります。

それが、1坪のミニ畑です。仕事ばかりの毎日ではなく、水をやったり、草を抜いたり、手をかけないと育たないものをもちたくなりました。以前から興味があったのですが、畑の場所が家から遠いところばかりだったので、できなかったんです。

なんとなく畑をやりたいなあと思って検索したら、歩いて行ける距離に貸し農園があることがわかったので、すぐに契約して思いきって始めてしまいました。成果を急がず、ただ今日できる世話をする。小さな挑戦です。

ひとり暮らしは「小さな決断」の積み重ね

ひとり暮らしに不安はないのか、と聞かれることがあります。正直に言えば、不安がまったくないわけではありません。

ただ、「なんとなく不安」という感情は、振り返ると、取りこし苦労だったことが多いように思います。もう60代なので、何十年も先のことを考えて、今の時間をムダに過ごすよりも、今できることをやっていくことの方が大事です。

理由のわからない不安を感じたときは、考え込むよりも、散歩に出かけたり、体を動かしたりして、頭ではなく体を動かすようにしています。

もちろん、「家賃が上がったらどうしよう」「病気になったらどうしよう」といった、具体的な心配事が浮かぶこともあります。

そんなときは、「もしそうなったら、こうする」と決めてしまう。ひとり暮らしは、そうした小さな決断の積み重ねなのだと思います。

ひとりで暮らすということは、自由であると同時に、自分の人生を自分で引き受けること。派手ではないけれど、今の私は、この静かな暮らしを、気に入っています。